アパート名の変更は空室対策になる?変更の流れをご紹介
アパートを所有しているものの、空室率が高まり、対策に悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
空室対策の一環としてアパート名を変更する手段がありますが、変更にはデメリットもあるため、慎重な検討が必要です。
今回は、アパート名の変更は空室対策になるのか、アパート名の変更を検討するケースや手続きの流れについてご紹介します。
アパート名の変更は空室対策になるのか
アパート名の変更は、空室の多いアパートにとって、有効な空室対策になるといわれています。
アパート名は、アパート全体の雰囲気を左右するものであり、名称によって入居希望者が現れるかが変化するためです。
アパート名はアパートの印象を左右する
アパート名の変更が空室対策になるのは、名称が与えるアパート全体の印象への影響が大きいためです。
横文字の名称であればおしゃれな印象になり「○○荘」のような名称であれば古風な印象が強くなります。
また、呼びやすい名称か、そこに住んでいると人に話したくなるような名称かも重要です。
入居者の方がアパートを選ぶ理由はアパート名だけではないものの、今後住所として使用する以上は判断材料の1つになります。
名称を見て古いと感じるようなアパート名より、おしゃれな印象のあるアパート名のほうが選ばれやすいでしょう。
ほかの空室対策よりもかかるコストが少ない
アパート名の変更は、ほかの空室対策よりも必要なコストが少ないです。
アパートの空室対策には、ほかにもリフォームやリノベーション、設備の入れ替え・導入などがあります。
リフォームやリノベーションのためには工事が必要になり、必要な時間や費用のコストが高いです。
設備の入れ替えや導入も、新しい設備を購入して全部屋に配備するとなると、コストがかかります。
アパート名の変更は、変更後の名称さえ決まってしまえば、簡単な手続きで空室対策が可能です。
リフォームや設備の刷新のような目に見える変化や機能性の向上はないものの、手軽におこなえて効果がある空室対策になります。
ただし、変更後の名称によっては、かえって印象が悪くなる可能性もあるため、注意が必要です。
アパート名の変更を検討するのがおすすめのケース
アパート名の変更は、どのような状況でも有効なわけではありません。
すでにおしゃれな名称がついているときは、名称を変更しても印象が刷新されるとは限らないでしょう。
また、すでに満室に近い状態で、空室ができたらすぐに新しい入居者で埋まるようなアパートであれば、名称の変更はかえって良くない影響が出る可能性があります。
アパート名が変わったことにより、人気だと聞いていた以前の物件と同じであると分からなくなるためです。
アパート名の変更を検討するのは、アパートの空室率が高く、名前の印象があまり良くないケースに限られます。
アパート名の読みが難しい
アパート名の変更を検討したほうが良いのは、現在のアパート名をすんなり読むのが難しいときです。
難読漢字が使われている、旧字や正字など読みにくい字が使われている、英語など海外の言語が使われているなど、スムーズに読むのが難しいときは変更すると良いでしょう。
見慣れない字や英単語など難しい名称になっていると、書き損じによる配達間違いなども増えてしまいます。
口頭で住所を伝えるのにも手間がかかり、さまざまな手続きに時間がかかることも多いです。
利便性の面でも弊害があるため、読みにくい名称のアパートは避けられる傾向にあります。
アパートの名前が長すぎる
英語など海外の言語を使用すると、アパート名が長くなりすぎることがあります。
単語の綴りによっては手書きするのが難しく、覚えにくいこともあるでしょう。
書類の形式によっては、文字数制限に引っかかることさえあります。
そのため、名称が長すぎるときはカタカナに直す、別の名前にするなどの対策をとるのがおすすめです。
書いていて面倒に感じるような名称であれば、変更を検討してみましょう。
アパート名が古い
アパート名が古風で、入居者の方から古臭い印象を持たれやすいのであれば、変更を検討すると良いでしょう。
「○○荘」や大家さん自身の名前が入っているタイプの名称は、入居者の方から古風だと受け取られやすくなります。
名前から古い印象を受けると、建物自体も古いのではないか、設備が充実していないのではないかといったイメージを持たれやすいです。
こうした印象は、物件選びのときは大きくマイナスに働いてしまいます。
若い年代の方ほど、古風な名称のアパートよりおしゃれで洗練された名前を好む傾向にあるため、若者向けの物件であればとくに名称を変更したほうが良いでしょう。
中古のアパートを購入すると、こうした古い名称になっていることが多いです。
アパート名を変更するための手続きの流れ
アパート名を変更するときには、さまざまな手続きが必要になります。
登録されている名称の変更だけでなく、名称を変更したことの周知も必要になるため、手続きの流れを把握しておくとスムーズです。
役所での手続きの流れ
アパート名の変更でどのような手続きが必要になるかは、もともとの名称が登記登録されているかによって異なります。
古いアパートでは、建物の存在自体は登記されているものの、建物の名称までは登録されていないことが多いです。
建物の名称が登録されていないときは、アパート名を変更しても、法務局で手続きをおこなう必要はありません。
ただし、自治体の役所における手続きは必要になるため、注意しましょう。
自治体に対しては「建物名称変更願」と呼ばれる届出を提出すれば、アパート名を変更できます。
登記に建物の名称が記載されているときは、法務局でも表示変更登記の手続きが必要です。
業者に対する変更手続きの流れ
アパート名を変更するときは、関わりがあるさまざまな業者に、変更の件について連絡する必要があります。
電力会社や水道局、ガス会社など、ライフラインに関する業者には連絡しておきましょう。
また、タウンページを管理しているNTTや、住宅地図を作成しているゼンリンなどにも連絡し、名称の変更を周知する必要があります。
ただし、公共事業者の請求書や地図などに物件名が記載されていないのであれば、変更手続きも不要です。
入居者に名称の変更を伝える
アパート名を変更するときに欠かせないのは、すでに入居している方への周知です。
入居者の方は、アパート名が変更になると、自力で公共事業者や配送業者、利用しているサービスの運営などに連絡しなければなりません。
運転免許証などを書き換える必要もあり、職場に物件名を申請する必要もあります。
そのため、物件の名称変更をおこなうのであれば、早めに通知するのが望ましいです。
名称が正式に変更される1か月ほど前を目安にお知らせすると、入居者の方の手続きも進めやすいでしょう。
お知らせのときは、掲示板などに連絡を掲示するだけでなく、戸別のポストにお知らせを投函することが大切です。
名称の変更後にすること
アパート名を変更したら、建物についている看板を作り直す必要があります。
看板の作成には時間がかかるため、事前にどれだけの期間が必要かを業者に確認しておきましょう。
また、つつがなく変更手続きが終わったら、入居者の方や管理会社などにお礼の連絡を入れるのがおすすめです。
まとめ
アパート名の変更は、アパート全体の印象を変えるため、空室対策に有効です。
現在空室に悩んでおり、アパート名が使いにくい名称になっているのであれば、変更を検討すると良いでしょう。
アパート名を変更するときは、役所や業者、入居者の方への届出や連絡が必要になるため、手続きの期間などに注意が必要です。