
賃貸物件の強制退去でオーナーがやってはいけないこと!手続きの流れも解説

賃借人による長期間の家賃滞納や度重なるトラブルが解決せず、やむを得ず「強制退去」の手続きを検討しなければならない状況に、お困りではありませんか。
契約違反があるとはいえ、法的な手順を踏まずに退去させようとすると、逆にオーナー様が訴えられてしまうなどのリスクが潜んでいます。
本記事では、強制退去においてオーナー様がしてはいけない禁止行為をはじめ、法的に有効な手続きの流れや発生する費用相場までを解説します。
万が一のトラブルに備えて正しい知識を身につけ、リスクを最小限に抑えながら問題を解決したいとお考えの方は、ぜひご参考になさってください。
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賃貸物件の強制退去でオーナーがやってはいけない行為

強制退去を進めるにあたり、オーナーがリスクを回避するためにまずおさえるべきは「禁止行為」です。
はじめに、法的に問題となるやってはいけない対応について、解説していきます。
無断で室内に入り荷物を出す
入居者が不在であっても、賃貸借契約が続く限り、室内は入居者の生活の場として法律で保護されています。
そのため、合鍵を使って無断で入室し荷物を運び出す行為は、「自力救済」と判断される可能性が高くなります。
無断立ち入りや家財処分は、住居侵入罪に問われるおそれがあるため注意が必要です。
さらに、器物損壊罪や窃盗罪に発展したり、民事上の損害賠償請求を受けたりするリスクも考えられます。
入室が必要な場合は、事前連絡と立ち会いを原則とし、管理会社と連携して記録を残す対応をおこないましょう。
同意なく鍵を交換する行為
鍵の交換は早期解決に見えても、同意なくおこなうと居住の平穏を害し、手続きに悪影響を及ぼすおそれがあります。
入居者が室内に入れない状況を作ると、追い出し行為と判断され、住居侵入罪などを疑われる可能性もあります。
また、状況によっては、強要罪や業務妨害罪に触れるおそれもあるため、安易な対応は避けましょう。
さらに、電気やガス、水道などのライフライン停止も影響が大きく、法的手続きが整うまでは控える必要があります。
管理会社と連携し、明渡し完了後に立ち会いのもとで、鍵を交換する流れを意識しましょう。
独自判断で立ち退きを迫る
家賃滞納などの契約違反が続くと早期解決を望みやすいですが、独自判断で立ち退きを迫るのはリスクが高い対応と言えます。
一定期間の滞納で解除できるとする特約がありますが、賃貸借契約における「信頼関係破壊の法理」に基づき、解除が認められない場合や、消費者契約法に反し特約自体が無効と判断されるケースがあります。
そのため、契約書の記載だけを根拠に自力救済をおこなうことは、安心できる解決策とは言えません。
適法に進めるには、まず内容証明郵便で催告をおこない、その後に訴訟へ進む流れを踏むことが基本となります。
判決を得たうえで強制執行を申し立てることで、オーナーの権利を正当に主張しやすくなります。
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強制退去を執行するまでの手続きと期間の流れ

前章では、強制退去をするうえでオーナーがやってはいけない禁止行為について述べましたが、トラブルを解決するには法に基づいた手続きが必要となります。
ここでは、適法に強制退去を進めるための手順について解説します。
督促から話し合いまでの対応
家賃の入金が確認できない場合は、まず管理会社へ状況を確認し、事実関係を落ち着いて整理することから始めます。
そのうえで電話やメールで連絡を取り、振込忘れの可能性も踏まえながら支払い予定日を丁寧に確認していきましょう。
連絡が取れない場合は、普通郵便と書留を併用して督促状を送り、送付記録を残しておくことが重要です。
また、保証会社を利用している場合は契約内容を確認し、早めに連携して回収の流れを整えておくと安心です。
未払い発生から1~2週間を目安に、期日や振込先を明確に伝えつつ、冷静な話し合いを重ねることが解決への近道となります。
内容証明郵便での明渡し請求
督促を重ねても改善が見られない場合は、内容証明郵便を用いて請求内容を正式に明確化します。
明渡し請求書には未払い金額と支払い期限を示し、期限までに対応がない場合の方針も具体的に記載しましょう。
その際、文書は写しを保管し、署名押印と日付を整えておくことで、後の裁判手続きでも説明しやすくなります。
また、支払い期限は相手の準備期間を考慮し、7日から14日程度の余裕を持たせるのが一般的です。
送付後は配達記録やこれまでの連絡履歴を時系列で整理し、不安があれば専門家に相談すると安心です。
訴訟から強制執行までの手順
内容証明郵便でも解決しない場合は、速やかに建物明渡し訴訟を提起し、法的手続きへ進みます。
訴訟では、これまでの督促経緯や契約内容を整理し、信頼関係の維持が困難である点を証拠とともに立証します。
審理期間は案件ごとに異なりますが、判決まではおよそ3~6か月程度を見込み、その間に次の募集準備を進めることも可能です。
その後、勝訴判決が確定して債務名義を取得すると、執行官による明渡し催告を経て、強制執行の申立てをおこないます。
申立てから執行日までは1~2か月程度が一般的で、当日は執行官の指揮のもと立ち会いと鍵の受領をおこないます。
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賃貸の強制退去に必要となる主な費用の相場と内訳

ここまで、強制退去の手続きの手順を解説しましたが、実際に実行するためにはどのくらいの金銭的負担があるかもおさえておきましょう。
最後に、強制退去全体にかかる費用の目安について解説していきます。
内容証明郵便にかかる費用
内容証明郵便は、郵便局が文書の内容を公的に証明してくれるため、後の手続きでも事実関係を示す有効な資料となります。
費用は文書の枚数や通数によって異なりますが、ご自身で作成して送付する場合は、数千円程度を目安に考えておくと良いでしょう。
一方で、弁護士や司法書士に依頼すると作成料は発生しますが、書類の整合性や表現を専門家に確認してもらえる安心感があります。
費用を抑えるためには、契約書や入金履歴を事前に整理し、伝えるべきポイントを絞ってページ数を減らすことが効果的です。
送付後は控えを大切に保管し、訴訟準備にも使えるよう時系列で整理しておくと、費用対効果がより高まります。
裁判費用と弁護士報酬の目安
訴訟を起こす際には、訴状に貼付する収入印紙代や、裁判所が書類送達に使用する郵便切手代が必要となります。
ただし、収入印紙代は請求額によって変わるため、明渡しと滞納家賃の範囲を整理し、無理のない計画を立てることが大切です。
弁護士に依頼する場合は、着手金と報酬金が発生するのが一般的のため、契約前に見積もり書で内訳を確認しておきましょう。
書面作成のみのスポット相談を活用すれば、要点をおさえつつ費用を調整しやすくなります。
また、費用の一部は相手方に請求できる場合もあるため、証拠や記録を整えたうえで回収方法を検討すると安心です。
強制執行に伴う実費と予納金
判決が確定して強制執行をおこなう場合は、まず裁判所へ予納金を納めたうえで、正式な申立てをおこないます。
予納金の金額は地域や執行内容によって異なりますが、執行官の説明に従えばおおよその費用感は把握できます。
なお、当日は執行補助者や運送業者への実費にくわえ、家財の搬出や保管にかかる費用も見込んでおくことが必要です。
また、実費は荷物の量や保管期間によって大きく変わるため、事前に見積もりを取り、無駄のない段取りを組むことが重要です。
強制執行に要した費用は相手方へ請求できる場合もあるため、記録を整えつつ、明渡し後は早期再募集で収益回復を図りましょう。
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まとめ
賃貸物件の強制退去では、無断入室や鍵交換といった自力救済は法律で禁止されており、独断での行動はリスクを伴います。
家賃滞納の解決には、督促や内容証明郵便を経て訴訟に進み、判決後に強制執行を申し立てるという法的手順が欠かせません。
内容証明や裁判費用にくわえ、執行時の実費も発生するため、費用を把握したうえで計画的に進めることが重要です。
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