賃貸経営で注意したい入居者トラブルとは?具体的な事例や回避方法を解説

賃貸経営で注意したい入居者トラブルとは?具体的な事例や回避方法を解説

賃貸経営をしていると、入居者トラブルが発生することがあります。
安定した賃貸経営のためには、できるだけ早い対処が重要です。
そこで今回は、賃貸経営で注意したい入居者トラブルの具体的な事例とともに、トラブルを放置するリスクとトラブルを避ける方法を解説します。

賃貸経営における入居者トラブルの事例

賃貸経営における入居者トラブルの事例

賃貸経営で問題となりやすい入居者トラブルについて、具体的な事例とそれぞれの対処法をチェックしてみましょう。

事例①騒音

賃貸経営でよくある入居者トラブルとして挙げられるのが、上の階からの騒音です。
アパートなどの集合住宅では、上階に住む方の足音や椅子を引く音、子どもが走り回る音などが下の階への騒音になります。
ある程度気をつけていても、下の階に住む方のストレスになることがあり、騒音がひどい場合には入居者トラブルに発展します。
また、上下階だけでなく、深夜に聞こえる大声やテレビの音などが原因で、眠れないといったクレームが発生することは珍しくありません。
こうした騒音トラブルにおける基本的な対処法は、被害を訴える方や近隣の方に状況を確認したうえで、騒音元に住む方に改善をうながすものです。
騒音元に話をする場合には、被害を訴える方の名前を出さないことがポイントとなります。

事例②ペット飼育

賃貸物件のほとんどは、ペット飼育が禁止されています。
賃貸借契約においてペットの飼育が禁止されているにもかかわらず、ペットを飼育している入居者がいる場合、入居者同士のトラブルが発生しやすくなります。
賃貸物件でペットが禁止されているのは、室内が汚れたり破損したりするといった理由だけではありません。
ペットの鳴き声やにおいなどが原因で、入居者トラブルが発生しやすいことも理由です。
ルール違反となるペット飼育の入居者トラブルの基本的な対応は、事実確認から始めましょう。
ペット飼育が確認できたならば、ペットを手放すよう要請し、これに応じない場合には退去を求めます。
自主的な退去に応じないならば、強制退去を視野に入れ、管理会社にご相談ください。

事例③家賃滞納

家賃滞納トラブルは、賃貸経営をするうえで頭を悩ませやすい事例です。
家賃滞納が発生する背景には、いくつかの理由が考えられます。
すぐに問題が解決できるのは、単純な入金手続きのミスや入金忘れなどの事例です。
こうした理由で家賃滞納が発生しているならば、電話や書面などで支払いを催促してみてください。
一方で、資金繰りが困難で家賃を滞納している場合は、転居を促したり自治体への相談をアドバイスしたりするなど、状況に応じた対応が必要です。
さらに、お金があるにもかかわらず家賃を滞納している入居者だと、場合によって問題が長引くことがあります。
口頭や書面での改善が見込めないと判断した場合には、強制退去を視野に管理会社にご相談ください。

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入居者トラブルを放置した場合賃貸経営はどうなる?

入居者トラブルを放置した場合賃貸経営はどうなる?

騒音・ルール違反のペット飼育・家賃滞納といった入居者トラブルを放置した場合、賃貸経営はどうなるか、そのリスクを見てみましょう。

リスク①退去者が増える

賃貸経営で、騒音など住み心地に影響する入居者トラブルを放置した場合、退去者が増えるリスクがあります。
騒音に悩む入居者が、騒音問題の解決が難しいと判断した場合、ほかの賃貸物件へと転居してしまうでしょう。
退去者が発生したら、次の入居者を募集するためのコストがかかるだけでなく、空室の間は家賃収入がなくなるリスクがあります。
こうした収益性の低下は、賃貸経営における大きなリスクです。

リスク②アパート全体の雰囲気が悪くなる

騒音や禁止されているペット飼育などの入居者トラブルを放置した場合、アパート全体のモラルが低下し、雰囲気が悪くなることがあります。
具体的には、騒音がひどくなる、ペットを飼育する世帯が増える、タバコやペット由来のゴミが放置されるなどの問題が予測されます。
こうしたモラルの低下が見られた場合、家賃を滞納せずルールを守っている入居者が退去してしまい、家賃を滞納するなどルールを守らない入居者しか残らないことがリスクです。
エントランスや廊下などにゴミが散乱している賃貸物件は、内覧での印象が悪く、新しい入居者が集まりにくいこともリスクといえます。

リスク③損害賠償を請求される

入居者トラブルに対応せず入居者に損害を与えた場合、被害を受けた方から損害賠償請求を起こされるリスクがあります。
具体的には、上階と下階の住人同士が騒音トラブルになり、これを放置した結果、暴力など生活を妨害する行為が発生した場合、大家さんが責任を問われることがあります。
実際に、問題がある入居者に賃貸借契約の解除と退去を求めなかったことが債務不履行と判断され、家賃の支払いや精神的損害に対して賠償責任が認められた事例がありました。

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賃貸経営で入居者トラブルを避ける方法

賃貸経営で入居者トラブルを避ける方法

賃貸経営で入居者トラブルを放置してしまうと、さまざまなリスクが発生します。
こうした状況にならないためには、あらかじめトラブルを避ける方法をチェックすることが大切です。

トラブルを避ける方法①入居審査を重視する

賃貸経営で入居者と契約を結ぶ前には、入居審査がおこなわれます。
空室を減らすには、入居審査の基準をゆるくして契約を早く結びたいと考えるかもしれませんが、入居審査を軽視した場合、トラブルが発生するリスクがあります。
したがって、入居者トラブルトラブルを避けるには、入居審査を重視するのがおすすめの方法です。
具体的には、申し込みで提出された契約関連書類をよく確認し、家賃滞納などのトラブルを起こしやすい要素がないか確認しましょう。
契約関連書類からトラブルを起こしにくいかどうか判断するのは難しいですが、安定した収入があるか、社会的に信頼性のある職業に就いているかなど、総合的な判断が大切です。

トラブルを避ける方法②連帯保証人との連携

騒音や家賃滞納など、入居者本人との話し合いで解決が難しいトラブルを避けるには、連帯保証人と連携できる体制を整えることが有効な方法です。
もちろん、家賃滞納リスクに備えて、十分な支払い能力があるかどうかも、審査したいポイントとなります。
連帯保証人と連携できる体制があれば、騒音などのトラブルが発生した場合に、家族から注意を促してもらうことが可能です。
連帯保証人になれる家族がいないのであれば、家賃保証会社を利用することがトラブルを避ける方法となります。

トラブルを避ける方法③契約時にルールを説明する

入居者のなかには、騒音やペット飼育、家賃滞納など、ルールをよく理解されていない方がいらっしゃるかもしれません。
したがって、賃貸借契約を結ぶタイミングで、わかりやすくルールについて説明すれば、ある程度トラブルを避けることが可能です。
とくに、ペットについては自己判断で飼育を始めてしまう方がいるため、具体的にルールを説明することがポイントです。
ハムスターなどの小動物の飼育は許可できるのか、鳴き声がしなくても飼育はできないのかなど、具体的な内容を説明しましょう。
また、ペット飼育のルールに違反した場合には退去を求めることなど、トラブルの対処方法をあらかじめ提示しておくこともおすすめです。

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まとめ

賃貸経営でよくある入居者トラブルとして挙げられるのは、騒音や禁止されているペットの飼育、家賃滞納などです。
こうした入居者トラブルを放置した場合、空室が発生し収益性が下がるほか、アパートのモラルが低下したり損害賠償請求されたりするリスクがあります。
入居者トラブルを避けるには、入居審査を重視すること、連帯保証人と連携すること、契約内容を説明することなどが有効な対策です。