段差解消ブロックを置くのは違法?オーナーの責任についても解説

管理物件の入居者から、駐車場前の段差にブロックを置きたいと相談されたり、知らぬ間に設置されたりしてお困りではありませんか。
道路上に段差解消ブロックを無断で設置する行為は、道路法に違反する可能性が高いです。
この記事では、段差解消ブロックが違法となる理由、万が一の事故でオーナーが問われかねない責任、さらに合法的に段差を解消する「切り下げ工事」の手順と費用を解説いたします。
安全な物件管理と入居者の満足度向上を目指すオーナーの方は、ぜひこの記事をご参考になさってくださいね。
道路の段差解消ブロックは違法になる

段差解消ブロックの公道への設置には、道路法に基づく違法性の問題があります。
まずは、なぜ段差解消ブロックの設置が違法となるのか、その理由について解説していきます。
道路法第43条の概要
段差解消ブロックの設置を規制する中心的な法律は、「道路法」という名称の法律です。
この道路法第43条では、道路に物を置いて、交通の邪魔になる可能性のある行為を禁じています。
段差解消ブロックは、まさにこの「交通の邪魔になる可能性のある物」と見なされてしまうのです。
たとえば、雨水を排水するための側溝を塞いで、道路が水浸しになる原因となる恐れがあります。
くわえて、歩行者や自転車の通行を妨害し、転倒事故を引き起こす危険性が高まる点も問題です。
工事用の足場などやむを得ない場合は、「道路占用許可」を得る制度が存在します。
しかし、個人の車両の出入りといった私的な理由の場合、許可が下りることは極めて低いです。
違法となる設置範囲
それでは、具体的にどの範囲にブロックを置くと、法律違反となってしまうのでしょうか。
その境界線は、オーナーが所有する「私有地」と「公道」の境目である、「官民境界」です。
管理物件の敷地内に完全に収まる形で設置する限りは、道路法違反に問われることはありません。
ただし、ブロックの一部であっても、歩道や車道といった公道にはみ出して設置すると、違法となります。
ブロックの材質や大きさは一切関係なく、公道上に置かれた事実そのものが問題視されるのです。
行政指導と撤去勧告
違法設置が発覚した場合、近隣住民の通報やパトロールをきっかけに、行政が段階的な措置を取ります。
まずおこなわれるのは、口頭または文書による「行政指導」であり、自主的な撤去が促されます。
この指導に従わず放置し続けた場合、より強制力のある「措置命令(撤去命令)」が出されますが、これは法的な拘束力を持つ命令です。
それでも従わなかった場合、最終的には「行政代執行」として行政が強制的に撤去し、その費用を全額請求されることになります。
そのうえで、道路法第102条の罰則規定により、1年以下の懲役または50万円以下の罰金も考えられるでしょう。
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段差解消ブロックでオーナーが責任を問われるケース

前章では、段差解消ブロックの違法性について述べましたが、実際に事故が起きた場合の責任も気になりますよね。
ここでは、違法設置によって問われる刑事・民事上の責任や、実際のトラブル事例について解説いたします。
刑事責任とは
オーナーが問われる可能性がある刑事責任には、どのようなものがあるのでしょうか。
段差解消ブロックを公道に設置する行為には、道路法第43条違反として、罰則が定められています。
これには、1年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科される可能性が含まれているのです。
道路交通法第76条でも、交通の妨害となる物をみだりに道路へ置くことを禁じています。
さらに、深刻なのは、設置したブロックが原因となり、人身事故を誘発してしまった場合です。
たとえば、ブロックで歩行者が転倒し怪我を負わせると、「過失傷害罪」に問われる可能性があります。
また、危険性を認識しながら放置した場合、「重過失致死傷罪」として重い罰則が科される恐れもあります。
高額な損害賠償の危険性
刑事責任と別に被害者に対して直接負う、民事上の責任について見ていきましょう。
違法に設置したブロックで他人に損害を与えてしまうと、民法第709条の「不法行為責任」を負います。
設置者は、治療費や休業損害、慰謝料など、被害者が被った損害を賠償する義務が生じるのです。
また、被害者に後遺障害が残った場合、賠償額が数千万円から1億円を超えることも珍しくありません。
賃貸物件オーナーの場合は、民法第717条の「土地工作物責任」を問われる可能性もあります。
これは、建物の欠陥で損害が出た場合、最終的に所有者であるオーナーが責任を負う決まりです。
オーナー自身が設置したり、入居者の設置を黙認したりしていた場合は、責任を免れられないでしょう。
実際のトラブル事例
賃貸物件のオーナーが巻き込まれる可能性のあるトラブルは、どのようなものがあるのでしょうか。
まず、入居者が無断でブロックを設置し、配達員が転倒して骨折する事故が考えられます。
オーナーが設置を知らなくても、物件の管理責任を問われ、賠償請求される恐れがあるのです。
このような事態を防ぐため、オーナーは定期的に物件を巡回し、目視で確認することが大切です。
入居者による設置を発見したら、事故の危険性を説明し、速やかに撤去を求めましょう。
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段差の解決策と切り下げ工事の進め方

違法設置を避けつつ出入りをしやすくするには、自治体の許可を前提とした「歩道切り下げ工事」を検討することが大切です。
ここでは、申請の流れと費用の目安、期間や注意点を順に解説いたします。
申請から完了までの手順
歩道切り下げ工事の申し込みの際は、最初に管轄の道路管理者や市区町村の道路担当窓口に相談し、必要書類の案内を受けます。
求められるのは、位置図や平面図、断面図、現況写真などで、指定様式がある場合も少なくありません。
続いて、近隣への影響を確認し、雨水の流れや勾配を考慮した計画図を作成します。
多くの自治体では、指定工事業者または登録業者による施工が条件となっています。
許可後に着工し、舗装や縁石の切り下げ、側溝の改良などを所定の仕様で施工する流れです。
費用相場と資金計画の立て方
歩道切り下げ工事の費用には幅がありますが、間口の広さや舗装材、側溝の有無によって変動します。
一般的な間口であれば、設計費や申請手数料、施工費を合わせて数十万円台となるケースが多いです。
提示された見積もりは、仕様書や数量の内訳を細かく確認し、費用が適正か検討しましょう。
小規模工事でも近隣説明の有無で印象が変わるため、開始前のひと言が後のトラブル防止に役立ちます。
期間の目安と実務上の注意点
許可審査には概ね2~4週間ほどを見込み、繁忙期はもう少しかかると考えておきましょう。
歩道の高さを下げすぎると敷地内での段差が増え、逆にバンパーを擦る原因となることもあります。
さらに、排水勾配が不足すると水たまりが生じ、冬季の凍結リスクが高まる点に注意が必要です。
工事中は仮設スロープやカラーコーンを配置し、通行者への周知をおこないましょう。
また、近隣への工事時間帯の周知や、搬入経路の確保も忘れないようにします。
敷地内の仮駐車位置を事前に決め、出入りの導線を図面で共有しておくと、工事する際の混乱を防ぐことができます。
くわえて、自治体の標準仕様書や細目を事前に確認し、材料や寸法の適合性を合わせておくと審査がスムーズです。
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まとめ
道路法第43条により、段差解消ブロックを公道に設置する行為は交通の妨げと見なされ、行政指導や撤去、罰則の対象となるおそれがあります。
違法設置で人身事故が起きた場合、道路法違反にくわえて、不法行為責任や土地工作物責任による賠償が発生する可能性があります。
安全に段差を解消するには、違法設置を避け、自治体へ相談のうえ許可を得て歩道切り下げ工事をおこなうことが重要です。

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