入居者が虚偽申告をおこなった際の対策について!家賃滞納のリスクも解説

賃貸経営をおこなううえで、入居者からの申告に虚偽が含まれていると、思わぬトラブルの原因になることがあります。
虚偽申告によって、家賃の滞納や近隣とのトラブルが発生するケースもあり、リスクへの備えが重要です。
場合によっては、契約解除や退去の対応が求められることもあるため、事前の見極めと対策が欠かせません。
本記事では、入居者の虚偽申告がもたらす影響や、オーナーが取るべき対処法について解説いたします。
入居者の虚偽申告がもたらすリスク

賃貸管理をおこなううえで、入居者による虚偽申告は見逃せないリスク要因です。
収入や居住実態の偽りが、どのようなトラブルを招くのか解説いたします。
正しい対策を講じるためには、具体的なリスクを把握することが重要です。
収入虚偽による家賃滞納のリスク
虚偽の収入申告は、家賃支払い能力を誤って評価させます。
収入証明書が改ざんされていた例もあるため、確認は欠かせません。
軽微な滞納から、数か月分の未払いに発展する恐れがあります。
家計に余裕がなくなると、支払いが途絶え、貸主が回収に追われる事例は後を絶ちません。
審査時に所得額と家賃比率を確認し、無理のない範囲かを把握することが予防策です。
入居時に提出された給与明細と源泉徴収票を突き合わせることで、数字の整合性を確認できます。
保証会社による追加審査を導入すると、貸主単独より精度が高まります。
この場合、督促や内容証明郵便、法的措置を検討せざるを得ません。
未払いが続くと回収は難しく、裁判や強制執行には費用と時間がかかります。
収入虚偽だけでは解除は難しく、滞納などの契約違反と合わせて判断されます。
トラブル発生時の対処の難しさ
連絡先や勤務先まで偽られると緊急時の連絡が取れず、トラブルが拡大します。
迷惑行為や無断改造が改善されないまま深刻化する例もあります。
連絡不能の状態では設備故障の拡大や近隣からの苦情が続き、管理の負担が増大するでしょう。
入居時に緊急連絡先を複数取得しておくと、想定外の事態にも対応しやすくなります。
賃貸借契約書に緊急対応ルートを明示し、連絡不能の場合の手順を定めておくことも効果的です。
退去を促しても応じない場合は、信頼関係の破壊を理由に解除を検討します。
なお、解除には証拠の確保と専門家への相談が前提です。
原状回復費用の請求が困難になる場合
虚偽申告の入居者が退去後に所在不明となり、連絡先も偽られていた場合、原状回復が進まず次の募集や費用請求に支障をきたします。
室内の汚損があっても協議できず、貸主が負担を強いられることにもなりかねません。
写真や動画で室内の状態を事前に記録しておけば、損耗箇所の特定と請求根拠の裏付けとして有効です。
次の入居者が決まっている場合は、スケジュール調整が破綻し、機会損失も生じます。
原状回復費用の想定見積りを契約時に共有しておくと、後日のトラブル防止につながるでしょう。
保証人も虚偽の場合、請求先が消え敷金で賄えない損失が生じます。
回収不能となった原状回復費用は、経営に直結する損失です。
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入居者の虚偽と退去の法的根拠

入居者の虚偽申告により、契約解除を検討する際、法的根拠と実際の判断基準を正確に理解しておくことが重要です。
一見すると「嘘をついたから」という理由で強く出たくなりますが、実際には契約解除が認められるかどうかは多くの場合、契約条項や信頼関係の破綻という観点から慎重に判断されます。
本記事では、虚偽を理由とする退去対応の可能性と限界を、法律的視点から解説いたします。
特約違反としての退去対応の可能性
まずは、契約書に勤務先や年収の虚偽を理由に解除できる特約があるか確認します。
特約があっても、虚偽が重大でなければ効力を持ちません。
裁判では、虚偽が契約の本質に関わるかが重視されます。
属性のみの誤りでは解除は難しい点に注意が必要です。
特約条項は国土交通省の標準契約書を参考に、貸主と入居者双方に理解しやすい文言で定義しましょう。
解除条項だけでなく、是正要求の期限や手続も合わせて記載するとトラブルを防ぎやすくなります。
トラブルに発展した場合の法的対応
家賃滞納や近隣トラブルに発展すると、信頼関係の破綻を理由に解除を求めやすくなります。
入居人数や勤務先の虚偽と迷惑行為が重なると、裁判所は破棄を認めやすいです。
無断転貸や別人の入居も不誠実な履行として、解除理由となり得るでしょう。
近隣トラブルが警察沙汰となれば、地域への評判も損なわれ、物件の価値低下にもつながります。
そのため、早期対応が資産保全を左右します。
トラブルが軽度なうちに警告書を送付し、改善の機会を与える対応も裁判での評価につながるでしょう。
証拠となる滞納記録や通知履歴を整えることが立証の鍵です。
信頼関係の破綻が契約解除の判断材料に
契約解除は虚偽申告自体ではなく、それで生じた重大な背信行為が要件です。
滞納や無断行為が発生して、初めて解除が現実的になります。
解除後の明渡請求には時間を要するため、初期段階での是正交渉が重要です。
裁判例では、滞納額や迷惑行為の回数といった客観的基準が判断の分かれ目になることが多いでしょう。
早期対応で、解除理由の妥当性を確保できます。
滞納が2~3か月でも解除が認められた例があります。
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入居者の虚偽申告への対策

入居前の審査体制を整えれば、虚偽申告リスクは減少するでしょう。
虚偽を完全に排除することは困難でも、手順を標準化することで発生確率を大幅に抑えられます。
各ステップをマニュアル化し、スタッフ間で情報共有することで運用につながるはずです。
ここでは、3つの視点から解説いたします。
契約書に虚偽申告に関する条項を明記する
契約書を見直し、勤務先や収入に虚偽があれば解除できる条項を明記しておくとよいでしょう。
重要事項として事前説明し、申告の正確性を促します。
無断転貸禁止や違約金規定を追加すれば、抑止力が働くはずです。
条項は定期的に見直し、法改正や判例に合わせてアップデートすることが望まれます。
虚偽が信頼関係を損ねた場合に解除可能と示しておくと安心です。
説明義務を果たすことで、後日「知らなかった」という主張を避けられます。
源泉徴収票などで収入の裏付けを取る
収入の裏付けには、源泉徴収票が有効です。
転職や副業がある場合は、全事業主分を提出してもらいましょう。
所得の変動が大きい場合は、直近の確定申告書や事業計画書も確認対象としましょう。
家賃は、手取りの25%程度が目安です。
書類に不審点があれば、勤務先へ電話確認します。
電子データの場合は改ざん検知サービスを活用し、真偽を迅速に判断すると効果的です。
面談や追加資料で人物像を確認すれば、虚偽を見抜く精度が上がります。
在籍確認を含めた厳格な審査体制の整備
在籍確認で勤務先の実在と本人の在籍を確認することは欠かせません。
申込者、勤務先、保証人へ電話連絡する方針を全件で徹底しましょう。
曖昧な返答や、所在不明は要注意です。
保証会社との連携を深めることで、審査フローを補完し総合的なリスク対応が実現できるでしょう。
ITを活用した本人確認システムの導入は、審査の迅速化と精度向上の両立につながります。
審査結果をデータベース化し、将来の参考事例として蓄積しておくと継続的な改善につながるでしょう。
くわえて、面談で人物像を把握することで、書類審査だけでは見抜けないリスクを低減できます。
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まとめ
入居者による虚偽申告は、契約違反や信頼関係の崩壊を招き、賃貸経営に深刻な影響を与える可能性があります。
場合によっては、特約違反を理由に退去を求めることも可能ですが、事前の対策が何より重要です。
入居前の審査や契約書での明記を徹底し、安定した経営を目指して慎重な入居者選定をおこないましょう。

株式会社エムズ
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