賃貸管理におけるエレベーターの保守点検の重要性は?種類についてご紹介

賃貸物件のなかには、建物の規模が大きく、エレベーターが設置されている物件もあるでしょう。
そういった賃貸物件を経営しているときは、管理の一環として、エレベーターの保守点検をおこなうことが大切です。
今回は、賃貸管理における保守点検の重要性や契約の種類、業者の選び方についてご紹介します。
賃貸管理におけるエレベーターの保守点検の重要性

エレベーターは、賃貸物件のオーナーが管理する設備の1つです。
そのため、エレベーターは定期的に点検をして、安全に使える状態にしておかなければなりません。
エレベーターの点検には、定期検査と保守点検の2種類が存在します。
定期検査の重要性
エレベーターの定期検査は、法律で定められた、半年から1年に1回の点検のことです。
定期検査では「定期検査報告済証」が交付され、1年に1回結果をしかるべき機関に報告する必要があります。
エレベーターの定期検査をおこなえるのは、一級建築士や二級建築士、昇降機等検査員などの資格を持った方のみです。
定期検査は定められた義務をクリアし、安全にエレベーターを使用するうえで、高い重要性を持つ検査となっています。
保守点検の重要性
エレベーターの保守点検は、物件の管理者が自主的におこなう検査になります。
とくに報告の義務などはなく、点検をおこなうのも専門の資格を持った方でなくて構いません。
保守点検をおこなうのも、年に1回など定期的な間隔が望ましく、一定期間ごとに設備を点検することにより、安全にエレベーターを使い続けられる可能性が高まります。
エレベーターの保守点検では、ブレーキや巻き上げ機、メインロープ、バッテリーなどの設備をチェックし、清掃や注油などの作業をおこなうのが一般的です。
保守点検の法令基準
エレベーターの保守点検がおこなわれるのは、建築基準法第8条「維持保持」を遵守するためです。
法令基準の「性能維持」と「安全保持」を目的とし、エレベーターに異常がないかを確認して、安全に利用できる環境を整えます。
なお、保守点検そのものは義務ではないものの、点検に関する記録は、3年以上保管するよう定められている点に注意しましょう。
保守点検は「努力義務規定」であり、実施しなかったからといって罰則があるわけではありません。
ただし、エレベーターを安全に、安心して利用するためには、定期的な保守点検の重要性が高いといえます。
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賃貸管理におけるエレベーターの保守点検の契約の種類

エレベーターの保守点検は、賃貸物件の管理者が自力でおこなうのではなく、専門業者に依頼することが多いでしょう。
保守点検の契約形態には、フルメンテナンス契約とPOG契約の2種類があります。
これらの契約では、種類ごとに費用相場やおすすめのケースが異なる点に注意が必要です。
フルメンテナンス契約
フルメンテナンス契約は、契約の費用にエレベーターの部品交換や、修理のための費用もすべて含まれている契約です。
そのため、1回あたりの費用は高額になりやすいものの、設備の交換や修理について、賃貸物件の管理者がいちいち細かく判断する必要がありません。
毎回一定の金額で依頼できるため、保守点検にかかる予算を把握しやすいメリットもあります。
フルメンテナンス契約がおすすめなのは、建物内の戸数が多く、エレベーターの使用頻度が高い賃貸物件です。
このような物件では、使用頻度に応じて修理すべき部分や、交換したほうが良い部品が多い可能性があります。
そのため、管理者側の手間を減らせるフルメンテナンス契約のほうが向いているのです。
POG契約
POG契約は、点検そのものにかかる費用と、部品の交換や修繕にかかる費用がその都度別途請求される契約です。
そのため、一度の点検に関する基礎的な費用を抑え、実際に部品を交換したり修繕したりするかを賃貸物件の管理者が個別に判断できます。
点検を依頼する業者と修繕を依頼する業者も分けられ、フレキシブルな運用が可能です。
POG契約がおすすめなのは、築浅でまだ部品の交換や修繕が発生する可能性が低い賃貸物件になります。
このような物件であれば、修繕が発生する頻度が低く点検だけで済むため、管理にかかる費用を抑えられるでしょう。
契約種類別の費用相場
エレベーターの保守点検にかかる費用の相場は、業者と結ぶ契約の種類によって異なります。
フルメンテナンス契約では、月額で4万円程度になるのが相場です。
年間では50万円ほどかかりますが、その分部品の交換や修繕には費用がかからないため、修繕する部分が多いほどお得になるでしょう。
POG契約の相場は月額2万5,000円となっており、年間で30万円程度の費用がかかります。
そのため、点検だけで済めば費用の節約になりますが、部品の交換や修繕に別途費用がかかる点に注意が必要です。
エレベーターの使用頻度がそこまで高くなく、劣化が進んでいないようであれば、POG契約のほうが費用を抑えられるでしょう。
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賃貸管理におけるエレベーターの保守点検業者の選び方

賃貸管理の一環としてエレベーターの保守点検をおこなうときは、契約の種類だけでなく、業者選びも重要です。
エレベーターの保守点検を依頼できる業者には、メーカー系と独立系の2種類があります。
メーカー系の業者
メーカー系の業者とは、実際にエレベーターを生産しているメーカーが運営している点検業者です。
たとえば、三菱電機や日立製作所などのメーカーによる点検業者が該当します。
こうしたメーカー系の点検業者は、自社系列のエレベーターしか点検を受け付けていません。
その分、自社のエレベーターに対する造詣が深く、知識や技術の面から安心してメンテナンスを任せられる傾向にあります。
ただし、独立系と比べて、保守点検の費用が高い点に注意が必要です。
自社エレベーターの不具合であれば、24時間365日対応してくれるところもあるため、費用をかけてでも安心感を重視したいときは、メーカー系の業者を選ぶと良いでしょう。
独立系の業者
独立系の業者とは、エレベーターのメーカーに属しておらず、独自に点検業務を引き受けている業者です。
そのため、どこのメーカーのエレベーターであっても、保守点検を引き受けてくれる可能性があります。
また、メーカー系の業者と比較すると、点検にかかる費用が安く、賃貸管理をおこなううえでのコストカットが可能です。
複数の物件を所有しており、物件ごとに採用しているエレベーターのメーカーが異なるときは、独立系の業者にまとめて点検を依頼すると、安く請け負ってもらえることもあります。
一方で、大手のメーカーと比べて、エレベーターの機種ごとの癖などに関する知識に乏しく、従業員に対する教育に問題がある業者もあるため、注意が必要です。
できる限りコストカットして賃貸管理をおこないたいのであれば、独立系の業者を選ぶと良いでしょう。
なお、メーカー系の業者と独立系の業者の費用を比較すると、年間で100万円近い差が生まれることもあります。
エレベーターが故障したときの部品については、独立系の業者であってもメーカーから正規の部品を取り寄せるため、品質に問題はありません。
エレベーターの保守点検にかかる費用を削減できれば、その分を別の設備の維持や修繕に回せるでしょう。
どちらの業者に依頼するのが得かについては、よく検討したうえで選択するのがおすすめです。
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まとめ
賃貸物件のエレベーターを安全に使用するためには、定期的な保守点検による管理の重要性が高いです。
保守点検にはフルメンテナンス契約とPOGの2種類があり、物件の築年数やエレベーターの使用頻度によって、どちらが向いているのかは異なります。
また、業者についてもメーカー系と独立系の2種類があるため、管理面で重視したいことや予算に応じて選び分けると良いでしょう。

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