賃貸管理している「ふすま」の交換は誰が負担する?費用と交換方法も解説

オーナー様向け

中村 亮太

筆者 中村 亮太

不動産キャリア5年

賃貸管理している「ふすま」の交換は誰が負担する?費用と交換方法も解説

賃貸物件の「ふすま」が破れたり、壊れた場合、入居者とオーナー・大家のどちらが費用を負担すべきなのでしょうか。
また、張り替えは業者に依頼する方法とご自身でおこなう方法があるため、あらかじめ費用相場と張り替え方法を把握しておくとスムーズでしょう。
そこで、賃貸物件のふすまの交換は誰がおこなうものなのか、業者に依頼するときの費用相場とふすまを自分で張り替える方法を解説します。
賃貸管理および賃貸経営をおこなっている方は、ぜひ参考になさってください。

賃貸管理で必要な「ふすま」の張り替え費用は誰が負担すべき?

賃貸管理で必要な「ふすま」の張り替え費用は誰が負担すべき?

賃貸物件の経営・管理において、ふすまや網戸などの交換が必要な場面が出てきます。
では、ふすまが破れた場合などは、オーナー・大家が負担しなければならないのでしょうか。
結論からいえば、ふすまの張り替え費用は、入居者が負担するケースもあれば、オーナー・大家が負担しなければならないケースもあります。
ここでは、入居者が負担するケースと、オーナー・大家が負担するケースに分けて解説します。

入居者がふすま交換を負担するケース

ふすまや網戸は、一般的には消耗品として扱われます。
そのため、入居者が故意に破損したり汚したりする場合は、入居者がその費用を負担する必要があります。
賃貸管理や経営をおこなう際は、このような事態に備えて賃貸借契約書に入居者が負担するケースなどを記載しておくと良いでしょう。
また、交換時の指定業者や、費用は直接業者に支払うのか、それともオーナー・大家へ支払ってもらうのか明確に明記しておくことが大切です。
賃貸借契約書にしっかり明記してあれば、このような事態が生じたときに入居者とトラブルにならなくて済むでしょう。

オーナー・大家がふすま交換を負担するケース

オーナー・大家が、ふすまの交換費用を負担するケースは、入居者が退去時です。
退去時に、ふすまの張り替えが必要な場合は、入居者ではなくオーナー・大家が負担しなければなりません。
また、それ以外にも、入居中であっても明らかに経年劣化による破損の場合は、オーナー・大家が負担します。
これは、国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にも記してあります。
トラブルが生じないように、管理・経営をおこなう際は、ガイドラインについてしっかりと確認しておきましょう。

賃貸管理をおこなううえで理解しておきたい「ふすま」交換の費用相場

賃貸管理をおこなううえで理解しておきたい「ふすま」交換の費用相場

賃貸管理をおこなう際は、ふすまの張り替え費用についても把握しておくと良いでしょう。
また、ふすまだけでなく交換が必要になりやすい障子や網戸の費用相場も解説します。

ふすまの張り替え時の費用相場

ふすまの張り替えを専門の業者に依頼する場合の費用相場は、1枚が3,000~1万程度です。
ただし、ふすまの枠までボロボロになった場合は、本体ごと交換が必要になり、その際は1~3万円程度かかることがあります。
片面であればさらに安くできますが、ふすまのグレードによっても金額が異なるため、必要なグレードを把握してから業者に依頼することをおすすめします。
なお、業者に依頼せず自分でおこなう場合は、1枚1,000~3,000円程度に費用を抑えることが可能です。

障子の張り替え時の費用相場

障子の張り替えを専門の業者に依頼する場合は、人件費も必要なことから2,000~5,000円程度かかります。
ただし、障子にも障子紙がどのくらい必要なのか、また紙の質によっても値段が変動します。
また、業者によっては古い障子の引き取りに費用が掛かることもあるため注意が必要です。
なお、費用を抑えるために自分で張り替えをおこなうことも可能で、その際はおよそ1枚で200~500円程度で済むでしょう。

網戸交換の費用相場

業者に網戸の交換を依頼した場合の費用相場は、1枚あたり3,000~5,000円程度です。
ただし、網戸の大きさによってもかかる費用に幅があり、小さいほど安く抑えることができます。
また、素材や網目の細かさによっても金額に差があるでしょう。
なお、自分で交換する場合の費用相場は、1枚1,000~3,000円程度です。

ふすまの張り替えをおこなう際は見積もりを取る

ふすまの張り替えを業者に依頼する場合は、できるだけ費用を抑えるためにも複数の業者に見積もりを取るのがおすすめです。
同じ内容でも、業者によって費用が異なることがあるためです。
また、見積もりを提示された際は、追加費用がかからないかどうかも確認しておきましょう。

賃貸管理で必要な「ふすま」を自分で張り替える方法

賃貸管理で必要な「ふすま」を自分で張り替える方法

ふすまの張り替えは、業者に依頼したほうがスムーズで綺麗に仕上がるものの、費用が高くついてしまいます。
費用を抑えたいという場合は、自分で張り替える方法を把握しておきましょう。

ふすまの張り替えを自分でおこなう方法

ご自身でふすまの張り替えをおこなう際は、ふすま紙やカッター、定規、バール、金づち、下張り用の紙、のり、はけ、ドライバーなどが必要です。
必要な道具が揃ったら、以下の手順で張り替えをおこなっていきます。
手順①ふすまの枠を外す
ふすまの張り替えをおこなう際は、上下左右にある木枠を外すところから始めます。
釘がある場合は、バールで釘を抜き、釘がない場合は金づちなどで枠の上部を叩いて外していきます。
その際は、外した枠や釘がどこの箇所で使用されていたかも忘れないようにしましょう。
手順②引き手を外す
続いて、引き手を外していきます。
引き手が釘で付けられている場合は、バールを使用しましょう。
のりで付いている場合は、ドライバーなどを差し込み取り外していきます。
引き手は、汚れている可能性が高いため、ふすまの張り替えと同時に新しいものに交換するのがおすすめです。
手順③下張りをする
ふすまの種類が本ふすまの場合は、下張りが必ず必要になります。
下張り用の紙を表面のふすま紙の下に張ることで、ふすまが丈夫になり綺麗に仕上がります。
本ふすま以外の場合は、必要に応じて下張りをおこないましょう。
手順④ふすま紙を切り取る
ふすまの上にふすま紙をズレないように置き、ふすま紙がふすまよりも1~2㎝ほど大きくなるよう、カッターで切り取っていきます。
ふすま紙に柄や絵が描いてある場合は、向きや位置を考えながら切り取りましょう。
手順⑤ふすま紙を張り付ける
次に、ふすま紙を張り付けていきます。
ふすま紙全体にハケでのりを塗り、塗ったあとに上辺中央からゆっくりとズレないようにふすまに張り付けていきます。
そして、軽く両サイドを引っ張りながら左右も張っていくのがポイントです。
手順⑥枠をはめ込む
最後に、外しておいた枠や引き手を取り付けていきます。
以上で、ふすまの張り替えは完了です。
時間はかかるものの、費用を安く抑えたい場合は、自分で張り替えることも検討してみると良いでしょう。

ふすまの種類について

ふすまには「本ふすま」「戸ふすま」「発泡スチロールふすま・段ボールふすま」の3種類があります。
種類によって張り替え方法が異なり、自分で張り替えが可能なタイプも限られています。
賃貸物件で張り替えをおこなう際は、事前に種類を確認しておきましょう。

まとめ

賃貸物件における「ふすま」の張り替えは、消耗品扱いのため一般的には入居者が費用を負担しますが、退去時や経年劣化による場合はオーナー・大家が負担することになります。
費用を抑えたい場合は、ご自身でおこなうことも可能ですが、張り替え方法やふすまの種類について、あらかじめ把握しておきましょう。
また、トラブルにならないためには、賃貸借契約書にしっかり明記しておくことをおすすめします。


”オーナー様向け”おすすめ記事

  • 敷地内の粗大ゴミ放置について!リスクや処分の責任も解説の画像

    敷地内の粗大ゴミ放置について!リスクや処分の責任も解説

    オーナー様向け

  • 契約書なしでも家賃の支払い義務はある?家賃滞納時の対応についても解説の画像

    契約書なしでも家賃の支払い義務はある?家賃滞納時の対応についても解説

    オーナー様向け

  • アパート名の変更は空室対策になる?変更の流れをご紹介の画像

    アパート名の変更は空室対策になる?変更の流れをご紹介

    オーナー様向け

  • 提携保証会社一覧の画像

    提携保証会社一覧

    オーナー様向け

  • 賃貸物件の設備はリースと購入のどちらが適切?メリット・デメリットも解説の画像

    賃貸物件の設備はリースと購入のどちらが適切?メリット・デメリットも解説

    オーナー様向け

  • 賃貸物件や駐車場の雪かきは誰がやる?捨て場やトラブル回避の対策も解説の画像

    賃貸物件や駐車場の雪かきは誰がやる?捨て場やトラブル回避の対策も解説

    オーナー様向け

もっと見る