長期空室が続く原因について!3つの原因とそれぞれの対策方法もご紹介

オーナー様向け

中村 亮太

筆者 中村 亮太

不動産キャリア5年

長期空室が続く原因について!3つの原因とそれぞれの対策方法もご紹介

賃貸物件の管理において、空室対策は重要です。
とくに長期間の空室が続いている場合、それぞれの原因に合った具体的な解決策を見つけることが必要になります。
本記事では、空室が長引く主な原因を3つ挙げ、それぞれに対する対策もご紹介します。
所有物件の空室にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

長期空室の原因①相場より家賃が高い

長期空室の原因①相場より家賃が高い

長期空室のもっとも一般的な原因の1つが、家賃の設定が高いことです。

家賃が高いと長期空室になる理由

家賃は毎月の支払いが必要であり、入居者の生活コストに直結します。
実際に、賃貸物件を探す際は家賃を重視する方が多いです。
家賃が「高い」と感じられるか否かは、その物件が位置する地域の他の物件との比較によって判断されます。
そのため、家賃を設定する際には地域の家賃相場を調査し、適切な価格設定が求められます。

家賃が原因の場合の対策方法

空室対策として、まず考えるべきは家賃の見直しです。
家賃が高すぎると入居希望者が遠ざかり、結果的に物件が長期間空室となる恐れがあります。
家賃を設定する際は、周辺の相場に合わせることが重要です。
ただし、あまりにも低い家賃を設定してしまうと、入居者に安心感を与えられず、これもまた空室の原因となり得ます。
また、家賃が低すぎると、賃貸経営の収益も下がってしまいます。
まずは周辺の家賃相場を確認し、所有する賃貸物件の家賃がどれほど相場から離れているかを把握しましょう。
適切な家賃設定は、周辺の市場価格に近いレベルが望ましいです。
ただし、単に周辺の家賃と同じにするだけでなく、部屋の間取りや設備、立地なども考慮して、適切に家賃を設定することが重要です。
また、家賃を一度下げた後に再び上げるのは困難な場合が多いので、家賃の調整は慎重におこなう必要があります。
空室対策の一環として、部屋のリフォームやリノベーションも有効です。
家賃の設定は、立地だけでなく部屋の内装や設備の新しさにも左右されます。
リフォームやリノベーションにより、部屋に新たな価値をくわえることができれば、見合った家賃設定が可能になり、より多くの入居者を惹きつけることができます。
リフォームやリノベーションには初期費用がかかりますが、長期的に見ると、得られる利益の方が大きい場合が多いです。
とくに、設備が古くなっている部屋では、改善を検討する価値があります。
物件の魅力を高めれば、安定した賃貸収入を期待できるようになります。
空室対策の1つとして「フリーレント」の導入も考慮しましょう。
フリーレントとは、入居開始から一定期間、家賃を無料にするサービスです。
一定期間後は、通常通りの家賃が適用されます。
フリーレント期間を設けることにより、入居者は家賃の負担なく、新しい住まいでの生活をスタートできるため、入居を決断しやすくなります。
とくに、家賃が市場相場に適しているにも関わらず空室が続いている物件では、フリーレントが入居のハードルを大幅に下げる助けとなるでしょう。

長期空室の原因②賃貸物件の需要と供給が見合っていない

長期空室の原因②賃貸物件の需要と供給が見合っていない

空室対策を考える際、家賃が市場相場に適していても、需要と供給のバランスの不均衡が原因で空室が続いている場合があります。

需給バランスが賃貸物件に与える影響

現在、日本では多くの場所で賃貸物件の供給が入居希望者の数を上回っており、供給過多の状態になっています。
その結果、入居希望者は自分のニーズに合った物件を幅広く選ぶことができ、特色のない物件は人気が集まりにくくなっているのです。
しかし、地域によっては依然として需要が高い場所もあります。
たとえば、都市部のように、人の集中が進む地域では比較的入居者が集まりやすい傾向があります。
一方、人口流出が激しい地域では需要が少なく、物件が長期空室となるリスクが高いです。
そのため、物件が位置する地域の人口動態や居住者の特性を正確に把握し、地域の需要と供給の状況に合わせた戦略を立てることが重要です。

具体的な対策方法

需要と供給のバランスを考える際、地域の需要を把握することが最初のステップになります。
需要を調査する方法はさまざまですが、とくに効果的なのは周辺の人気物件を調査することです。
これにより、どのような特徴やサービスが人気の理由となっているのかを理解できます。
たとえば、人気物件の広告が強調している点を分析すると、その地域で求められているニーズを洞察することが可能です。
調査した情報をもとに、自分の物件に足りない要素があれば、それを補う改善を検討することが重要です。
たとえば、学生が多く住む地域ではオートロックの設置が求められることが多い傾向にあります。
社会人の一人暮らしの需要が高い地域では、宅配ボックスの設置が有効です。
ターゲットや地域の特性に合わせた対策を講じると、物件の魅力を高め、空室率を減少させることが期待できます。
空室が長期にわたっている場合、広告戦略の見直しも必要かもしれません。
たとえ物件が周辺の人気物件と同様の強みを持っている場合でも、その強みが広告にきちんと反映されていないと、潜在的な入居者には伝わらないです。
結果として他の物件を選ばれてしまう可能性があります。
長期空室の状況にある場合は、広告の内容を見直すことが重要です。
不動産会社と協力して、物件の魅力や強みがしっかりと伝わる広告内容になっているかどうかを再確認しましょう。
また、広告のターゲットや掲載するプラットフォームも見直すち、より効果的に入居者を引きつけることができるかもしれません。
物件の魅力を最大限に伝える広告戦略を構築することが、空室解消への鍵となります。

長期空室の原因③物件管理が行き届いていない

長期空室の原因③物件管理が行き届いていない

物件管理が不十分であることも、空室が長期化する原因の1つです。

物件管理が長期空室につながる理由

適切な管理がされていない物件では、廊下や階段などの共用部分が汚れていたり、傷んでいたりすることがあります。
見学に来た潜在的な入居者にとって、共用部の状態は物件全体の印象を大きく左右します。
もし共用部が汚れていると、それだけで物件への印象が悪くなり、入居の意欲を損なうことになるのです。
実際に見学者は多いのに賃貸借契約に至らない場合、物件の管理状態に問題がある可能性が高いです。
長期空室の状況であれば、まずは見学と契約の数を数値で確認し、そのうえで物件の清掃や修繕を徹底することが求められます。
物件の魅力を保つためにも、日々の管理と定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。

具体的な対策方法

物件管理が行き届いていない場合、定期的な管理と清掃が必要です。
とくに共用部の掃除は重要で、定期的におこなうことをおすすめします。
以下は共用部の清掃で注意すべきポイントです。

●共用部に入居者の荷物(傘など)が放置されていないか確認
●玄関周辺に砂やゴミが落ちていないかチェック
●部屋や排水溝から悪臭がしていないか確認
●廊下や玄関前に虫の死骸がないか確認


上記を怠ると、物件の印象が悪化し、見学者の入居意欲を損なうことにつながります。
定期的な清掃が難しい場合は、専門の清掃業者に依頼するのも1つの方法です。
また、物件管理には清掃だけでなく、収支の記録やトラブル対応など、多岐にわたる業務が含まれます。
これらを1人でおこなうには時間がかかりすぎることがあり、効率的に管理するのが難しいです。
時間の制約で物件管理を適切におこなえていない場合は、委託管理が良い選択肢です。
委託管理では、専門の管理会社に日常的な運営を任せることができます。
ただし、委託する会社によって提供されるサービスの内容が異なるため、依頼する前にどのようなサービスを提供しているのかをしっかりと確認することが重要です。

まとめ

家賃が高いことが原因で長期空室になっている場合、家賃の見直しやフリーレントの導入を検討することをおすすめします。
需要と供給があっていないことが原因の場合は、人気物件の調査や広告の見直しが効果的です。
物件管理が行き届いていないことが原因の場合は、共有部分の掃除や管理委託をご検討ください。


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