賃貸管理の業務内容について!管理委託のメリットや委託先の選び方も解説

オーナー様向け

中村 亮太

筆者 中村 亮太

不動産キャリア5年

賃貸管理の業務内容について!管理委託のメリットや委託先の選び方も解説

賃貸物件を所有していると、賃貸管理をどのようにおこなうべきか悩むところでしょう。
本記事では、賃貸管理の業務内容や、管理委託するメリット、委託先の選び方も解説します。
賃貸管理・賃貸経営を始めようとしている方は、ぜひ参考になさってください。

賃貸管理の業務内容や管理委託とは?

賃貸管理の業務内容や管理委託とは?

賃貸管理には2つの重要な役割があります。
1つ目は「入居者対応」、もう1つは「建物のメンテナンス」です。

入居者対応に関する業務内容

入居者対応は、賃貸経営の中心的な部分を担い、以下のような業務が含まれます。

●入居者募集:効果的な広告と募集戦略が必要
●契約管理:契約の締結から、賃貸借契約書や重要事項説明書の作成、入居者への説明が含まれる
●家賃管理:家賃の入金確認と、滞納があった場合の対応
●トラブル・クレーム対応:停電や水漏れなどの緊急事態や、住民間のトラブルに迅速に対応


賃貸物件のオーナーがすべてのタスクを単独で管理するのは難しいため、専門的な知識や経験を持つ不動産管理会社に委託することが一般的です。

建物のメンテナンスに関する業務内容

賃貸管理では、建物の維持・管理も重要です。
定期的なメンテナンスや必要に応じた修理が物件の価値を保ち、入居者に快適な住環境を提供します。
具体的な業務内容には以下のようなものがあります。

●建物と設備の維持管理:建物全体の構造や設備を定期的に点検し、必要に応じて修理や更新をおこなう
●清掃業務:廊下やエントランスなどの共有スペースの清掃を定期的に実施
●長期修繕計画の策定と実施:物件の長期的な資産価値を保つために、外壁などの定期的な修繕を計画
●法定点検と任意点検の実施:物件の設備に対して、法律で定められた点検にくわえて任意点検もおこなう


これらの管理業務を適切におこなうと、物件は長期間にわたりその価値を維持し、入居者にも安心と快適さを提供できるでしょう。

賃貸の管理形態

賃貸物件の管理には、主に自主管理と管理委託があります。
自主管理は、オーナー自身が物件管理をおこなう方法です。
自主管理には以下のような特徴があります。

●自由な経営が可能:修繕のタイミングや家賃設定など、すべての決定をオーナーがおこなえる
●コスト削減:管理会社に支払う委託費用が不要なため、小規模な賃貸経営に向いている
●ノウハウの蓄積:賃貸経営に関する実務経験を積むことによって、経営スキルを向上できる


ただし、自主管理には課題もあります。
複数の物件を所有している場合、すべてを自分で管理するのは現実的ではありません。
また、物件の入退去に伴う煩雑な手続きや、家賃の督促、クレーム対応といった業務は時間も労力も必要で、精神的な負担が大きくなる可能性があります。
一方、管理委託とは、不動産管理会社に賃貸管理を委託する方法です。
賃貸管理の業務は複雑で手間がかかるため、多くのオーナーは自分で管理するのではなく、専門の不動産管理会社に業務を委託することを選びます。
管理委託により、オーナーは管理の負担を軽減しながら、物件を適切に運営できるようになります。

賃貸物件を管理委託するメリットとは?

賃貸物件を管理委託するメリットとは?

賃貸物件の管理を不動産管理会社に委託するメリットは、以下の3つです。

①手間がかからない

不動産管理をプロに委託する最大のメリットは、時間と労力の節約です。
不動産投資にはさまざまな形態がありますが、すべてのオーナーが不動産管理を専門にできるわけではありません。
とくに「サラリーマン大家」として副業で不動産投資をおこなっている方や、定年後の生活の一環として不動産投資を始めた方にとっては、賃貸管理の作業は大きな負担となり得ます。
専門の不動産管理会社に業務を委託すると、日々の管理業務から解放され、時間を他の活動や自己のリフレッシュに充てることができます。
管理委託には手数料がかかりますが、管理委託をおこなうと、効率的に不動産投資をおこないながらも、生活の質を保つことが可能です。

②ノウハウがある

不動産管理をプロに委託するもう1つの大きなメリットは、専門的な知識と経験、つまり「ノウハウ」があることです。
不動産管理は多岐にわたる業務が必要で、初心者が自己流で取り組むには難易度が高いでしょう。
知識がなければ、効率的な運営はおろか、多くの問題に直面することもあります。
結果的には、時間とエネルギーを消耗するだけでなく、投資効果も得られずに終わる可能性が高いです。
プロの不動産管理会社に業務を委託すれば、豊富な経験と確立された方法で物件を適切に管理できます。

③遠方の物件でも対応できる

管理委託を利用すると、遠方にある物件でも所有しやすくなる点もメリットです。
たとえば、地方の賃貸アパートを所有している場合や、転勤で自宅を一時的に貸し出しているオーナーにとって、自分が住んでいる場所から離れた物件の日常管理は大きな課題です。
とくに、物件の頻繁な巡回や緊急時の対応が難しいでしょう。
管理委託の場合、管理会社がオーナーに代わって定期的な見回りをおこない、トラブル発生時には迅速に対応します。
また、定期的な清掃や、入居者からのクレーム対応も管理会社がおこなうため、オーナーが自身で物件に出向く必要がなくなります。
そのため、地理的な制約を超えて物件を所有し、運営することが可能になるのです。

賃貸管理における管理委託会社の選び方とは?

賃貸管理における管理委託会社の選び方とは?

信頼できる不動産管理委託会社の選び方について、以下のポイントを考慮することが重要です。

①地域密着型であるか

不動産管理会社を選ぶ際には、その地域に精通しているかどうかを確認することが重要です。
地域ごとの特性を理解している管理会社は、建物の管理や入居者対応において効果的な対策を講じることができます。
たとえば、特定のエリアに女性の入居者が多い場合、管理会社が安全対策として巡回の頻度を増やしたり、監視カメラを設置したりすることが可能です。
また、どのような入居者が多いかを予測し、クレームが発生しやすい問題に対しては事前に注意を呼びかけたり、重要事項説明書にその内容を反映させたりすることもできます。
したがって、地域の特性を熟知している不動産管理会社を選ぶことは、建物と入居者の双方にとっての利益を最大化するうえで効果的です。

②丁寧な対応

不動産経営は基本的に長期にわたるものであり、その過程で管理会社の担当者との関係が重要になります。
まず、担当者がどれだけ親しみやすく、相談しやすいかが重要です。
また、問い合わせに対する返答が迅速であるかも、管理会社を選ぶ際の重要なポイントとなります。
返答が遅れると入居者からの不満が高まる場合があり、それが不動産経営に悪影響を及ぼすことも考えられます。
理想的には、担当者が休日を除き、問い合わせの当日中に何らかの回答を提供できることが望ましいです。
入居者やオーナーの問題を迅速に解決し、運営の安定性を保つことができます。
賃貸管理会社を選ぶ際には、担当者の対応速度、報告や連絡の頻度をあらかじめ確認するのがおすすめです。

③業務内容の確認

不動産管理業務は多岐にわたるため、管理会社によって手がける内容が異なることがあります。
したがって、同じ管理委託費用であっても提供されるサービスの範囲が異なる可能性があります。
契約前には、管理委託契約の内容を十分に確認することが重要です。
たとえば「クレーム対応」や「日常清掃」など、具体的な業務が契約に含まれているかを事前にチェックしましょう。
安定した賃貸経営をおこなうためには、管理委託契約にどのような基本的な業務内容が含まれているか、また、その業務内容が支払う委託費と見合っているかを事前に確認しておくことが大切です。

まとめ

賃貸物件の管理における業務内容は、入居者募集や家賃管理、建物のメンテナンスと多岐にわたります。
そこで不動産管理会社に管理委託をすると、手間をかけずに管理でき、遠方の物件でも所有できるメリットがあります。
委託先の選び方のポイントは、地域密着型であるかや丁寧な対応、契約前に業務内容を確認することです。


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