賃貸経営における家賃滞納の自主管理方法とは?やってはいけない行動も解説

オーナー様向け

中村 亮太

筆者 中村 亮太

不動産キャリア5年

賃貸経営における家賃滞納の自主管理方法とは?やってはいけない行動も解説

賃貸管理や賃貸経営を始めようとしている方にとって、家賃滞納は頭を悩ませる問題の一つではないでしょうか。
どう対処すれば良いのかわからない方が多いのも事実です。
この記事では、家賃滞納の主な理由、自主管理での対応方法、そして大家さんがやってはいけない行動について解説します。
これらの情報を参考にして、適切な対応方法を身につけましょう。

家賃滞納の主な理由について

家賃滞納の主な理由について

家賃滞納は賃貸管理において避けられない問題の一つですが、その背景にはさまざまな理由が存在します。
入居者がどのような理由で家賃を滞納するのかを理解するのは、適切な策を講じるための第一歩となります。
ここでは、滞納の主な理由について解説するので参考にしてください。

支払い忘れ

家賃滞納の理由の中で比較的多いのが、単純な支払い忘れです。
忙しい日常生活の中で、入居者が家賃の支払いをうっかり忘れてしまうケースがあります。
とくに、家賃の支払いが自動引き落としではなく、手動でおこなわれている場合に多く見られます。
こうしたケースでは、入居者自身も早めに気づくことが多いため、早期の対応が可能でしょう。
支払い忘れを防ぐためには、家賃の支払い期日前にリマインダーを送るのが効果的です。
また、入居者に対して自動引き落としの利用を推奨するのも一つの方法です。
これにより、入居者の支払い忘れのリスクを大幅に抑えられます。

入院

入院などの健康上の理由で、家賃が未納のままになるケースもあります。
長期的な入院や深刻な病気によって、入居者が家賃を支払うのが困難になる場合があるのです。
こうした状況では、入居者は入院治療費や生活費の負担が増えるため、家賃の支払いが後回しになってしまうケースが多く見られます。
そのような状態に対応するためには、入居者とのコミュニケーションが重要です。
まず、入居者の状況を理解し、支払いが遅れる理由を確認する必要があります。
必要に応じて、家賃の支払い期限を延長したり、分割払いを提案するのも考慮すべきです。

お金がない

もっとも深刻な家賃滞納の理由として、お金がないために家賃を支払えない状況があります。
失業や収入の減少が原因で、家賃の不払いが続くケースは少なくありません。
たとえば、突然の失業や減給、予期せぬ出費が重なった場合、入居者は家賃を支払う余裕を失ってしまうことがあります。
こうしたケースに対処するためには、まず入居者の経済状況を正確に把握するのが重要です。
入居者とのコミュニケーションを重視し、現状を理解したうえで柔軟な対応を考える必要があります。
たとえば、家賃の分割払いを提案したり、一時的な支払い延期を検討するのが有効です。
また、入居者が利用できる公的支援制度を紹介するのも大切です。
なお、家賃滞納が深刻化した場合には、専門家への相談も検討しましょう。
早めの相談がトラブル拡大を防ぐ重要なポイントです。

自主管理での家賃滞納の対応について

自主管理での家賃滞納の対応について

自主管理において家賃滞納が発生した場合、迅速かつ適切な対応が求められます。
家賃滞納は、賃貸経営における大きなリスクとなるため、早めに策を講じておくのが重要です。
ここでは、自主管理での滞納の対応方法について具体的に解説します。

入居者への連絡

家賃滞納が発覚した場合、まずは速やかに入居者に連絡しましょう。
この初動対応が重要であり、迅速に対応してトラブルを未然に防げます。
電話やメールなど、できるだけ直接的なコミュニケーション手段を用いるのが効果的です。
電話で連絡を取る際には、まず入居者の状況を確認し、支払いが遅れている理由を尋ねます。
丁寧かつ冷静に話し、支払いを促すのが重要です。
必要に応じて、支払い計画を立てるなど、入居者が支払いを完了できるようサポートする姿勢を示すのも有効です。
メールでの連絡は、証拠として残るため、後々のトラブル防止にも役立ちます。

連帯保証人への連絡

家賃滞納が発覚し、入居者本人と連絡が取れない場合や、期日までに支払いがない場合は、次に連帯保証人に連絡しましょう。
連帯保証人は、契約時に入居者の家賃支払いを保証する役割を担っており、入居者が家賃を滞納した場合に支払い義務を負う立場にあります。
まず、連帯保証人に対して、家賃滞納の状況を丁寧に説明し、入居者が家賃を支払っていない事実を伝えます。
その際には、未払い額や支払期日、振込先などの具体的な情報を提供し、連帯保証人に対して支払いを依頼してください。
連帯保証人への連絡は、電話や郵便、メールなどを通じておこなえます。
内容証明郵便を利用しておけば、後々のトラブル防止にも役立ちます。

法的手段

家賃滞納問題が解決しない場合、最終手段として法的措置を検討しましょう。
この段階では、内容証明郵便の送付や明け渡し訴訟などを通じて、家賃回収を図ります。
まず、内容証明郵便の送付です。
これは、誰が、誰に、いつ、どのような内容の手紙を送ったかを郵便局が証明してくれるもので、法的な証拠として有効です。
内容証明郵便を送る手段は、入居者に対して支払い義務の厳格さを示し、心理的なプレッシャーを与えます。
この手段は、通常の督促では効果がない場合に有効です。
それでも解決しない場合は、明け渡し訴訟を提起する形になります。

家賃滞納の対応で大家さんがやってはいけない行動

家賃滞納の対応で大家さんがやってはいけない行動

自主管理で家賃滞納に対応する際、大家さんがやってはいけない行動があります。
これらの行動は、法的問題を引き起こすだけでなく、入居者との関係を悪化させる可能性もあるため注意が必要です。
ここでは、自主管理での滞納対応で大家さんが避けるべき行動について解説します。

早朝や深夜の連絡

早朝や深夜に、入居者に連絡をする行動は避けましょう。
これらの時間帯に連絡をおこなうのは、入居者のプライバシーを侵害する行為とみなされる可能性があります。
また、法律上も問題となる場合があり、不適切な時間帯での連絡はハラスメントとして訴えられるリスクがあります。
適切な連絡時間としては、通常の営業時間内、午前9時から午後8時を目安に連絡を取るようにしましょう。
この時間帯であれば、入居者も比較的対応しやすく、プライバシーを侵害するリスクを避けられます。
また、連絡方法についても配慮が必要です。
電話や訪問だけでなく、メールや手紙など、入居者の都合に配慮した方法を選ぶのが重要です。

無断の入室

入居者の許可なく、部屋に入る行動は厳禁です。
これは法律上、不法侵入とみなされるだけでなく、入居者との信頼関係を大きく損なう行為でもあります。
不法侵入は、プライバシーの侵害であり、法的なトラブルを招く可能性が高いため、避けなければなりません。
無断での入室は、たとえ緊急事態であっても、慎重に対応する必要があります。
たとえば、急な水漏れや火災のような緊急事態では、まず入居者に連絡を取り、許可を得るのが最優先です。
それでも連絡がつかない場合は、証人を立てるか、緊急のために警察や消防と協力するなど、適切な手続きを踏みましょう。

執拗な訪問

同じ日に、何度も入居者を訪問するのは避けるべきです。
過度な接触は、入居者に対してストレスがかかり、信頼関係を損なう結果になります。
家賃滞納の問題が絡む場合、頻繁な訪問は入居者にさらなるストレスを与え、関係の悪化を招く場合があります。
適切な訪問頻度としては、初回の訪問後に一定の期間を空けるのが重要です。
訪問の目的を明確にし、入居者に対して必要な情報を事前に提供できれば、効率的なコミュニケーションを図れます。
電話やメールなど、他の連絡手段を併用するのも有効です。
訪問の際には、入居者のプライバシーを尊重し、丁寧な対応を心がけましょう。

まとめ

家賃滞納は、賃貸経営における大きな課題ですが、適切な対応をおこなえばトラブルを最小限に抑えられます。
滞納しているからといって、早朝や深夜に連絡したり、勝手に入室する行為はトラブルを悪化させるのでやってはいけません。
この記事を参考にして、家賃滞納への効果的な対応方法を身につけましょう。


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