賃貸物件の客付けは自分でできる?自主管理のメリット・デメリットも解説

オーナー様向け

中村 亮太

筆者 中村 亮太

不動産キャリア5年

賃貸物件の客付けは自分でできる?自主管理のメリット・デメリットも解説

賃貸物件の経営を考えている方のなかには、管理会社に頼らずに自主管理したいと考えている方もいらっしゃるでしょう。
管理会社に頼らずとも、賃貸経営を黒字化させることは可能ですが、それには「客付けのコツ」を知る必要があります。
この記事では、自主管理で客付けする方法やメリット・デメリットも解説しますので、これから賃貸経営を始めようとお考えの方や自主管理への切り替えをご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。

自主管理で客付けする方法について

自主管理で客付けする方法について

安定した賃貸経営をおこなうには、入居者を絶やさずに空室を埋めていく仕組み作りが大切です。
大半のオーナーが管理会社に委託していますが、なかには自分で管理したいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
自主管理では管理会社に委託するよりも集客力が劣るため、いかに物件をアピールしていくかが重要です。
はじめに、自主管理で客付けをする方法から確認していきましょう。

物件自体を広告にする

コストを抑えて手軽に集客したいという場合は、物件自体を広告にする方法がおすすめです。
具体的には、物件の壁に直接「入居者募集」の貼り紙を貼る、敷地内に看板を立てるなどです。
近年はインターネットで物件を探す方が多いですが、住みたい地域を直接確認する方もいらっしゃいます。
その際に「入居者募集」の貼り紙を見て物件に興味を持ち、問い合わせが来るケースは意外と多いです。
貼り紙は赤い背景に白文字など目立つ色使いにして、なるべく人目につく場所を選んで設置しましょう。
貼り紙は自作することも可能ですが、手間を省きたければ既製品の立て看板もネットで購入するのも1つの手です。
また貼り紙を作成する際は、問い合わせ先の掲載を忘れないようにご注意ください。

SNSで物件情報を投稿する

幅広い層に物件を知ってもらう方法として、自社ブログやSNSなどを利用するのも効果的です。
情報を発信する際は、間取りや室内の様子、設備の有無がわかる写真も一緒にアップしましょう。
物件に関する情報が充実していると、入居希望者の目を引く効果が期待でき、問い合わせにも繋がりやすくなります。
また物件を探している方に直接訴求できるよう、(#)ハッシュタグも積極的に活用するのがポイントです。
ハッシュタグとは、SNSの投稿内容をトピックやキーワードで分類する際に用いられる記号です。
「#〇〇市」「#2LDK」など、物件の特徴をタグ付けすることで検索性が上がり、ユーザーが情報にたどり着きやすくなるでしょう。

不動産情報サイトを利用する

物件を探している方にダイレクトに情報を届けたい場合は、不動産情報サイトを活用してみましょう。
ほとんどの不動産掲載サイトでは、不動産会社を介して物件情報を掲載するのが一般的です。
しかし、なかにはオーナーが直接物件情報を掲載できるサイトも複数存在します。
使い方としては、まずユーザー登録を行い、フォーマットに沿って物件の情報を入力するケースが多いです。
無料で利用できるものもあれば契約が決まった際に手数料がかかるものなど、費用やサービス内容はサイトによって異なります。
物件掲載数やサイトの雰囲気もそれぞれ特色があるので、事前に確認したうえでご自身が使いやすいものを選ぶと良いでしょう。

自主管理で客付けするメリット

自主管理で客付けするメリット

管理会社に依頼するか自主管理にするかで迷ったら、自主管理で客付けするメリットとデメリットを比較したうえで判断しましょう。
まずは、自主管理で客付けするメリットから解説します。

入居者募集にかかる費用を抑えられる

自己管理をおこなうメリットは、入居者を募集する際にかかる費用を抑えられることです。
客付け作業のみを管理会社に委託することも可能ですが、その場合でも基本的には仲介手数料や広告料が発生します。
仲介手数料は成功報酬制なので、固定費として毎月発生するわけではありませんが、入居者の入れ替わりが激しい場合は負担が増えます。
自主管理のメリットは、こうした費用を節約できることです。
先述した自主管理における客付の方法は、仲介手数料ほど費用がかかりません。
ご自身でうまく入居者を募集できれば、浮いた分を他の費用に回すことができます。

入居者を選べる

賃貸経営をするうえで、入居者の選別は大切です。
空室が無くても、家賃を滞納する方がいれば収益は安定しません。
またトラブルメーカーを入居させてしまった場合、他の入居者が出て行ってしまう可能性もあります。
ひとり入居させたばかりに、他の複数の入居者が出て行ってしまえば元も子もないでしょう。
客付けを管理会社に委託している場合、審査や面接をおこなうのは委託先であり、基本的にはオーナーが入居者と会うことはありません。
自主管理であればオーナーが直接入居者に会って話を聞けるため、トラブルを起こしそうな方の入居を避けることが可能です。
入居者間でトラブルが多いと費用がかさむだけでなく、オーナーとして対応しなければならず、精神的にも疲弊してしまいます。
信頼関係を築けそうな入居者を選べることは、自主管理の大きなメリットといえるでしょう。

自主管理で客付けするデメリット

自主管理で客付けするデメリット

自主管理での客付けは、費用を抑えられたり入居者を選べたりできる反面、デメリットもあります。
ここからは、自主管理で客付けするデメリットについて解説します。

レインズに登録できない

自主管理で客付けするデメリットの1つに、レインズに登録できない点が挙げられます。
レインズとは、国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営する不動産情報ネットワークシステムです。
レインズに登録された物件は、全国の不動産会社間で共有されるため、入居者が集まる可能性が高まります。
ただし不動産会社だけが利用できるものなので、登録してもらうには不動産会社と契約を結ばなければなりません。
集客がうまくいかず、空室の状態が長く続いてしまうと、収益が減少して経営が危うくなる可能性もあります。
自主管理によってコストを削減しているつもりでも、空室のせいで収益が減ってしまっては意味がありません。
「新しい入居者が見つからない」「入居者希望者がみつからないため本当は断りたい方も入居させている」という場合は、不動産会社の仲介も検討してみましょう。

契約や更新の手続きをおこなう必要がある

不動産会社を介さずに集客する場合、契約や更新といった事務的な手続きもすべてご自身でおこなわなければなりません。
賃貸借契約書も自分で用意しなければならず、ある程度の不動産知識がないと作成に時間がかかってしまうでしょう。
インターネット上に契約書のひな形もありますが、自分の物件に合った内容への修正は必要です。
賃貸借契約書は借主と貸主の権利や義務を明確にし、契約後のトラブルを防止する大切な書類です。
たとえば退去の期限について借主から承諾を得たとしても、契約書に記載がなければ承諾を得たと証明できません。
契約書に不備があった際のリスクや手続きの手間を考えると、管理会社に委託するほうが望ましいでしょう。

まとめ

管理会社に依頼せずに、自主管理で客付けをすることは可能です。
自主管理で客付けすれば、自分に合った入居者を選べる、費用を節約できるといったメリットを得られます。
しかし経営に関する作業や手続きもすべて自分でしなければならず、リスクを回避して収益を安定させるといった面でも、自主管理ではなく委託管理を優先的に検討するのがおすすめです。


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