賃貸管理で共用部の掃除は必要?自主清掃と委託清掃どちらが良いか比較

オーナー様向け

中村 亮太

筆者 中村 亮太

不動産キャリア5年

賃貸管理で共用部の掃除は必要?自主清掃と委託清掃どちらが良いか比較

賃貸物件を管理・経営している場合やるべき仕事がたくさんありますが、共用部の掃除も管理者の大切な仕事として捉えているでしょうか。
共用部の清潔感は部屋の入居率にも影響してくるため、きちんとおこなっておく必要があります。
こちらの記事では、共用部の掃除の必要性やおこなう頻度、また、自主清掃と委託清掃それぞれのメリットとデメリットを解説しますので参考にしてください。

賃貸物件の共用部は掃除が必要か解説

賃貸物件の共用部は掃除が必要か解説

賃貸物件の管理内容は建物管理と清掃管理の2種類があります。
建物管理とは物件の建物全体に関する管理を指し、主な内容は設備の点検業務や建物のメンテナンス、清掃、長期修繕計画作成などの業務です。
建物を良い状態に保ち、資産価値の向上を目的におこなうもので、将来的に高い価格での売却が期待できます。
また、定期的にメンテナンスをおこなえば建物の寿命を延ばすのも可能なので、不具合があれば早めに発見し修繕をおこなうのが大切です。
一方、清掃管理とは建物内の共用部を清潔に保つ業務で、利用者が快適に暮らせるのを目的としています。
賃貸物件において共用部とはメールボックス、エントランス、ゴミ置き場、共用廊下など、入居者みんなが使用する場所を指します。
専有部分である各部屋の中の掃除は入居者が自分でおこないますが、共用部については入居者ではなく管理者がおこなうのが一般的です。
建物の隅々まで掃除が行き届いていると入居者の満足度がアップし、住み心地の良いアパート・マンションとして長期間住み続ける要素のひとつになります。
また、共用部は部屋探しのために内見に訪れる入居希望者がチェックする場所でもあり、部屋以外にその物件の良し悪しを見極める場所です。
エントランスやゴミ置き場が清潔に保たれているかどうかで、その物件の管理状態や入居者のモラルがある程度見えてくるため、入居を決める際の判断材料となります。
そのため、共用部の掃除が行き届かず汚れた状態の場合、入居希望者からの印象が悪くなり、物件への入居をためらう可能性が高いでしょう。
清潔な状態が保たれていない物件は入居者の退去や、内見における印象の悪さなどを招き、空室率が上がる結果を招きかねません。
以上の点から、賃貸物件の管理において共用部の掃除の必要性はとても高いといえます。

賃貸物件の共用部の掃除頻度

賃貸物件の共用部の掃除頻度

賃貸物件の管理者がおこなう共用部の掃除ですが、どの程度の頻度でおこなわなければならないのか決められていません。
そのため管理者のなかには、どんな内容の清掃をどれくらいの頻度でおこなえばいいのか分らず悩んでいる方もいるでしょう。
そこで、ここからは日常清掃、定期清掃、特別清掃の3つに分けて、それぞれの清掃内容を具体的に解説します。

日常清掃

日常清掃とは1週間に数回~最低でも1か月に1回の頻度でおこなうものです。
具体的には、掃き掃除、ゴミ拾い、拭き掃除、植木の水やり、ゴミ置場の清掃、落ち葉の除去などが挙げられ、駐車場や自転車置き場の掃除も含まれます。
管理者のなかには掃き掃除やモップがけを毎日おこなう方もいますが、管理している建物の大きさに合わせて清掃の頻度を考えましょう。
ただし、ゴミ置場は汚れがちなので、毎日チェックして汚れを除去したりゴミを拾ったりしたい場所です。

定期清掃

定期清掃とは機器を使っておこなう床のクリーニングや壁の掃除、ワックスがけ、植木の刈り込みや雑草抜きなど日常的におこなわないもので、頻度は月に1回~数か月に1回ほどです。
床や壁の溜まった汚れをクリーニングする作業になるため、多くの場合、専門の業者に依頼しておこないます。
ちなみに、照明交換については頻度に関わらず、点滅したり消えてしまったりした機器を発見したらその場ですぐに電球を交換するようにしましょう。

特別清掃

日常清掃や定期清掃をおこなっていても除去しきれずに残ってしまう汚れや、管理者の手の届かない場所にある窓・電球の拭き掃除などを特別清掃といいます。
これらの清掃は一般の方がおこなうのは難しいため専門業者に依頼するケースも多く、配水管の洗浄なども特別清掃に含まれます。
実施する頻度は年に数回で、普段はあまり手入れをしていないような場所も徹底的にきれいにしましょう。
以上の3つが主な掃除の内容と頻度ですが、効率よく掃除をおこなうためにチェックシートを作っておくのもひとつの方法です。
作業場所と作業内容、作業頻度などを書き出し、作業が終わったらチェックと作業した日を書き込むようにしておけば、いつ、どこを清掃したかが分りやすくなります。

共用部の掃除は自主清掃と委託清掃のどちらが良いか比較

共用部の掃除は自主清掃と委託清掃のどちらが良いか比較

こまめにおこなう必要がある共用部の日常清掃は、管理者自らがおこなう他に専門の業者に委託しておこなう方法があります。
どちらが良いかは管理者の考え方や建物の大きさによって異なりますが、比較検討するためには双方のメリットとデメリットを理解するのが大切です。

自主清掃のメリットとデメリット

自主清掃をおこなうと業者に費用を払う必要がないため、管理コストを節約できる点が大きなメリットです。
また、エントランスや廊下を掃除していると入居者と顔を合わせる機会も増えるため、管理者と入居者の距離が自然と近いものになります。
これも賃貸管理をおこなううえでのメリットで、管理者と入居者がコミュニケーションを取り良好な関係を築いておけば、長期的に入居し続けてもらえる可能性が高いでしょう。
さらに、管理者がさまざまな場所の清掃をすれば建物の状態をこまめに見られるのがメリットです。
建物に破損や不具合があった際に素早く発見しやすくなるため、修繕などの対応も遅れずにおこなえるでしょう。
一方、自主清掃をおこなう場合、労力や時間を要する点が大きなデメリットで、建物が大きい場合は清掃をするのが負担になります。
また、他に仕事を持っている方や遠方に住んでいる方にとっては、清掃に多くの時間を割けないため、自分でおこなうと頻度が減ったり丁寧な清掃をおこなえなかったりするでしょう。
さらに、機器や除去力の強い薬剤を使った清掃は、一般の方ではおこなえない点もデメリットです。

委託清掃のメリットとデメリット

委託清掃を利用すれば管理者が清掃をおこなう労力や時間を減らせるため、他に仕事をしている方や忙しい方にとっては大きなメリットになります。
また、プロの担当者が徹底的に建物をきれいにしてくれるため、入居者みんなが満足するような高いクオリティの仕上がりを得られる点もメリットです。
もうひとつのメリットとして挙げられるのが、建物の状態を専門家の視点からチェックしてもらえる点で、日ごろは気付かないような場所の破損や不具合を発見してもらえるでしょう。
一方、委託清掃を利用する場合のデメリットとして大きいのが費用がかかる点で、月1回の清掃で5,000円前後が一般的な相場です。
清掃を依頼する頻度が増えるとそれだけかかる費用も上がるので、管理コストを節約したい管理者には抵抗があるかもしれません。
また、業者に清掃をしてもらった場合、管理者が自分の目で建物のチェックをできない点がデメリットで、正確な状態を把握するためには自分でも定期的に見回る必要があります。
このように自主清掃と委託清掃にはそれぞれメリットとデメリットがありますが、入居者の満足度を上げて入居率のアップを目指すためには、プロによる質の高い清掃が有効です。

まとめ

賃貸の共用部を清潔に保っておくと、入居者が快適に暮らせる、内見に訪れた入居希望者の印象を良くできるなど入居率を左右するため、掃除は必要不可欠です。
頻度は日常清掃、定期清掃、特別清掃の3つに分けておこなうようにすると効率よく作業できます。
自主清掃と委託清掃のメリット・デメリットを比較するとどちらが良いか判断しやすいですが、入居率アップを目的にする場合は、プロによる高品質な清掃が適しています。


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