賃貸物件を自主管理するメリットやデメリットとは?委託した場合も解説

オーナー様向け

中村 亮太

筆者 中村 亮太

不動産キャリア5年

賃貸物件を自主管理するメリットやデメリットとは?委託した場合も解説

賃貸物件を所有している方のなかには、時間に余裕があったり、管理会社への委託費を削減したかったりなどの理由で自己管理をしている方もいます。
では、自己管理するメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
この記事では、賃貸物件を自主管理するメリットやデメリット、業務委託をした際どのような効果が得られるのかを解説します。

所有賃貸物件を自主管理するメリットとは?

所有賃貸物件を自主管理するメリットとは?

賃貸物件を所有していれば、放っておいても収入が入ってくると思いがちですが、実はそうではありません。
きちんとした収入を得るためには、きちんとした管理が必要不可欠になります。
自主管理は手間はかかりますが、オーナーとしていくつかのメリットがあります。

管理費用を節約できる

まず、自主管理を選ぶメリットに、管理費用の節約が挙げられます。
管理会社に支払う管理手数料は、上限はとくに定められていませんが、一般的に家賃収入の3〜7%程度が相場です。
管理会社によって金額は異なりますが、委託をすれば総額で数十万円単位の費用が掛かります。
また、その費用は委託会社の契約内容次第では、空室があっても委託費用がかかる場合もあるため、注意が必要です。
家賃収入がなくても、委託費の支出だけかかるため、契約内容にきちんと目を通しておく必要があります。
自主管理の場合は、管理会社に委託をせず自分で管理をおこなうため、管理費用は掛らないため、空室時の管理費も気にする必要はありません。
また、空室時の広告費用や入居者の仲介手数料なども自己負担でおこなえば、大幅なコストカットにつながるでしょう。

不動産管理に必要な知識を得られる

不動産管理には、入居者管理と建物管理の2つに分けられます。
入居者管理は、入居者募集業務や家賃徴収などの会計業務、入居者や近所のクレーム対応などを指し、建物管理は不動産の清掃や点検、修繕業務などを指しています。
自主管理を通じて、これらの不動産運営に関するさまざまな知識が自然と身につくため、経営にも自然と自信がつくのもメリットです。
これにより、将来的に不動産投資を拡大したいと考える場合にも、身についた知識は役立つスキルとなるのです。
身に着くまでには少し時間や労力は掛かりますが、賢明な経営判断が可能になり、投資におけるリスクを軽減する能力が向上し、今後の経営にも力を発揮してくれます。

入居者との距離が近くなる

入居者との直接的なコミュニケーションが取れるのも自主管理の特長です。
オーナーが直接入居者と顔を合わせるため、自然と居住者間で話し合うケースも増え、信頼関係を築きやすくなる傾向にあります。
お互いの信頼関係が構築されているため、地震などの自然災害や火災などで互いに協力し合える関係性が築きやすい傾向にあるのも良い点です。
さらに、自主管理のため、物件の出入りも多くなります。
そのため、建物の不具合にはいち早く気付ける上に入居者のニーズや問題点も迅速に把握しやすいです。
適切な対応をおこなえば、入居者の満足度が向上し、高い入居者率を獲得できるでしょう。

所有賃貸物件を自主管理するデメリットとは?

所有賃貸物件を自主管理するデメリットとは?

自主管理にはメリットがある一方で、オーナーとして認識しておくべきいくつかのデメリットも存在します。
以下では、自主管理において注意すべき主な3つのデメリットについて解説します。

煩雑な業務が増える

賃貸物件の自主管理では、入居者募集から契約業務、家賃徴収、建物メンテナンス、クレーム対応まで、すべての業務を自身でおこなう必要があり、煩雑な業務が増えるため大変です。
これに加え、法的な手続きやトラブル対応も考慮に入れる必要があります。
また、賃貸物件の近くに管理者が住んでいないケースもあります。
トラブルが発生した場合、現地まで行く時間や費用もかかるため、複数物件を持っているオーナーにとっては困難な状況が生じる可能性もあるでしょう。
また、法改正や制度変更への対応、各種書類の作成や保管など、専門的な知識を要する業務も増えるため、労力がかかる可能性もあります。

資産価値が下がるリスクがある

自主管理により、適切なメンテナンスがおこなわれない場合、物件の資産価値が下がるリスクがあります。
このリスクを避けるためには、計画的な修繕と専門的な知識が重要です。
また、入居者からのクレームや修繕依頼に迅速に対応できなければ、物件の評判が下がり、長期的な賃貸経営に悪影響を及ぼす可能性もあります。
また、修繕できなかった箇所が進行すると、雨漏りや設備の故障などのトラブルも発生しやすくなります。
長期的な資産価値の維持には専門的な知識や定期的な点検やメンテナンスが必要不可欠です。

入居者の不満が募る可能性もある

直接管理をおこなう場合、入居者のクレームや緊急時に対応するための迅速性が求められます。
しかし、オーナーが常に対応できるとは限りません。
対応が遅れたり、解決策が不十分だった場合、入居者の不満が募る原因となり、住人の退去や物件の評判悪化につながる可能性があります。
入居者との信頼関係の構築は重要ですが、自主管理の体制が整っていない場合には、こうしたリスクも考慮する必要があります。

賃貸物件を管理会社に委託した方が効率よく運用できる

賃貸物件を管理会社に委託した方が効率よく運用できる

管理会社への委託は、安定した物件運営を実現する有効な選択肢です。
専門的なノウハウと豊富な経験を持つ管理会社のサポートで、効率的な資産運用が可能です。
以下では、その理由について解説していきます。

安定した運営が期待できる

管理会社に運用を委託すると、専門家によるサポートが受けられるため、物件運営が安定します。
入居者募集から物件管理、賃料の回収、トラブル解決に至るまで、専門知識を持つスタッフが対応してくれるため、安心して運用を任せられます。
また、定期的な建物点検や修繕を実施してくれるため、資産価値の下落リスクも押さえられるため、本業が忙しい方でも安心です。
とくに多忙なオーナーにとっては、時間と労力を他の事業に割けるため、資産の管理に余裕が生まれるかもしれません。

トラブルを管理会社側で解消してくれる

管理会社に委託しておけば、24時間365日の緊急対応体制により、急なトラブルにも迅速に対応してくれます。
たとえば、違法駐車や家賃の滞納問題、入居者間のトラブルなど、さまざまな問題を専門スタッフが適切に処理してくれます。
専門家が仲介するため、法的対応や交渉が必要な場合でも安心です。
とくに住宅のトラブルは、迅速な対応が求められるため、24時間のサポート体制を持つ管理会社を選ぶと、入居者の満足度を保ちやすくなります。

遠方の物件でも運用が可能になる

遠方の物件を管理する場合、一番の障害となるのが距離です。
そのため、自主管理にこだわる場合は、管理の労力を考え、物件を近場で探す必要があります。
しかし、近場で自分に合った希望の物件が必ず見つかるわけではありません。
物件数も限られるため、築年数が経過した物件になるなど、条件が悪くなる可能性も出てきます。
しかし管理会社に委託すれば、物理的な距離の問題を克服し、遠隔地の物件でも効率的に運用ができるため、物件探しの範囲も広がり、好条件の物件を購入できるのです。
また、現地での立会いや確認が必要な場合も、管理会社が代行してくれるため、時間的、物理的な制約を受けずに、数物件の運営も可能になります。

まとめ

賃貸物件の自主管理は、費用や知識の面でのメリットがありますが、煩雑な業務やリスクを伴うデメリットも存在します。
一方で、管理会社に委託するため、運営の安定性や効率性を確保できます。
物件のサイズや所有目的、自身の時間的余裕などを総合的に判断し、自分に合った運用方法を選びましょう。


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