家賃滞納者の追い出しは違法?NG行為と退去手順も解説

【6月2週目 編集中】家賃滞納者の追い出しは違法?NG行為と退去手順も解説

家賃を滞納している入居者に対して、早く退去してもらいたいものの、どこまで対応してよいのか迷っていませんか。
対応を急ぐあまり、鍵交換や無断立ち入りなどをしてしまうと、かえってオーナー側が法的責任を問われるおそれがあります。
本記事では、家賃滞納入居者への対応でしてはいけない行為、退去請求が認められる条件、合法的に明け渡しまで進める手順について解説します。
家賃滞納への対応を適切に進めたい賃貸物件オーナーの方は、ぜひご参考になさってくださいね。

家賃滞納者へおこなってはならない禁止行為

家賃滞納者へおこなってはならない禁止行為

家賃滞納の問題解決にあたり、まずはおさえておくべき違法な追い出し行為には、主に自力救済などがあります。
まずは、大家さんがおこなってはならない禁止行為と、その法的な危険性について解説していきます。

自力救済の禁止と違法性

家賃回収を急いでいても、裁判所を通さずに実力で解決しようとする対応は避けなければなりません。
自力救済とは、法的手続きを経ずに、貸主の判断だけで権利を実現しようとする行為全般を指します。
たとえば、玄関先に督促文を貼る、深夜や早朝に繰り返し連絡するといった行為は、行き過ぎた対応とみなされやすいです。
こうした動きは、入居者の生活を強く圧迫し、周囲との新たなトラブルにつながる恐れもあります。
感情的な言動ほど記録に残りやすいため、後の交渉や訴訟で不利にならないよう、冷静な対応を心がけることが大切です。

無断立入や私物の搬出

たとえ、合鍵を預かっていても、入居者の許可なく室内へ入る行為は慎重に考える必要があります。
建物の所有者が大家さんであっても、明け渡し前の部屋は入居者の占有が法律で保護されているためです。
そのため、不在時の無断入室は、住居侵入と受け取られる恐れがあります。
さらに、室内の荷物を勝手に運び出したり処分したりすると、器物損壊や窃盗を疑われる可能性も高まります。
異臭や安否確認などの緊急時を除き、確認が必要な場合は警察や消防へ相談し、公的機関の立ち会いを検討することが重要です。

鍵交換などの損害賠償

入居者の承諾なく鍵を交換して室内へ入れない状態にすると、事実上の強制退去と判断される恐れがあります。
実際に、不法行為と認定されて、慰謝料や宿泊費などの支払いを命じられた例もみられます。
また、水道や電気やガスを止める対応も、生活基盤を脅かす行為として大きな問題になりかねません。
家賃を回収したいはずが、反対に損害賠償の負担を抱えてしまっては本末転倒です。
だからこそ、催告や訴訟などの正規の手順を踏み、順番を守って対応する姿勢が欠かせません。

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退去請求が可能になる信頼関係破綻の条件

退去請求が可能になる信頼関係破綻の条件

前章では、やってはいけない対応について述べましたが、どのように退去を求めればよいのか気になりますよね。
ここでは、正当に退去請求をおこなうために必要な条件について解説します。

滞納期間や金額の目安

家賃の支払いが少し遅れただけで、すぐに契約解除や退去請求ができるわけではありません。
実務では、3か月以上の滞納、または未払い額が家賃3か月分に達しているかが重要な目安になります。
1か月ほどの遅れであれば、単なる入金忘れや一時的な事情と受け取られる場合もあるでしょう。
一方で、長期滞納や一部入金の繰り返しが続くと、支払い意思や継続的な履行能力が厳しく見られます。
そのため、督促状の控えや通帳の記録、連絡日時のメモなどを時系列で残し、経緯を客観的に示せるよう備えることが大切です。

迷惑行為も踏まえた判断

退去請求が認められるかどうかは、家賃滞納の有無だけでなく、入居者の態度や周囲への影響も含めて判断されます。
たとえば、深夜の騒音や共用部分へのゴミの放置、無断転貸などが重なると、契約違反の重みは増していきます。
滞納期間がそれほど長くなくても、注意を受けても改善しない状態が続けば、契約継続は難しいとみられやすくなるでしょう。
その際には、近隣住民からの苦情メモや写真、管理会社の報告書などが有力な裏づけになります。
滞納と迷惑行為を整理した記録を日頃から残しておくと、話し合いでも法的手続きでも説明しやすくなります。

契約解除と信頼関係

契約解除の基本的な考え方は民法に定められており、一定期間を区切って催告し、それでも支払いがなければ解除を検討します。
ただし、賃貸借契約では違反が軽い場合まで直ちに解除できるわけではなく、信頼関係の破綻があるかが重視されます。
これがいわゆる信頼関係理論で、単なる1回の遅れではなく、契約を続けるのが難しい状態かを見極める考え方です。
つまり、滞納期間や支払い態度、迷惑行為の有無などを総合的に見て、退去請求の可否が判断されます。
再三の督促にも改善が見られなかった経緯を示せれば、契約解除の妥当性を説明しやすくなるでしょう。

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家賃滞納者を退去させる手順

家賃滞納者を退去させる手順

ここまで、契約解除の目安となる条件を解説しましたが、実際の立ち退きに向けた流れも、あらかじめおさえておきましょう。
最後に、督促から強制執行に至るまで、合法的に退去を進めるための手順について解説していきます。

時系列に沿った督促方法

滞納が発生した直後は、まず電話や書面で状況を確認し、落ち着いて支払いを促すところから始めます。
初期段階では入金忘れの可能性もあるため、強い口調ではなく確認を中心とした連絡が適しています。
2週間~1か月ほどたっても反応がなければ、普通郵便による督促状を送り、保証会社や連帯保証人にも情報を共有しましょう。
それでも改善しない場合は、内容証明郵便で支払期限や未払い額、期限後は契約解除を検討する旨を伝えます。
必要に応じて弁護士名義で送付すると、事態の重さがより伝わりやすくなります。

合意退去に向けた交渉方法

内容証明郵便を送った後は、すぐに訴訟へ進むのではなく、まず合意退去の可能性を探ることが大切です。
合意退去は、当事者同士の話し合いで退去日を定める方法であり、時間や費用の負担を抑えやすい点が魅力です。
交渉では、相手を感情的に責めるのではなく、このままでは訴訟や差押えに発展する可能性があることを落ち着いて伝えましょう。
給与や預金に影響が及ぶ可能性を具体的に説明すると、相手にも事態の重さが伝わりやすくなります。
合意できた場合は、退去日や鍵の返還日、滞納分の精算方法を記した合意書を作成し、後の食い違いを防ぐことが重要です。

訴訟から強制執行の流れ

話し合いで解決しない場合は、建物明渡請求訴訟という正式な裁判手続きへ進むことになります。
訴状には賃貸借契約書や内容証明郵便の控え、滞納計算書などを添付し、解除の正当性を示します。
勝訴判決を得ても退去に応じないときは、強制執行を申し立て、執行官の立ち会いのもとで明け渡しを進める流れです。
こうした手続きには4か月~半年ほどかかることがあり、荷物の量によって費用負担も重くなる場合があります。
そのため、滞納が長引く前から専門家へ相談し、早めに準備を始めることが円滑な解決につながります。

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まとめ

家賃滞納者に対し、大家さんが無断で部屋の鍵を交換したり室内に立ち入ったりする自力救済は、法律違反となり損害賠償を請求される恐れがあるため大変危険です。
正当な退去請求には貸主と借主の信頼関係が破綻している必要があり、3か月以上の滞納や度重なる迷惑行為などを、客観的に証明できる記録を残しておくことが重要です。
解決に向けては段階的に督促をおこない、まずは話し合いによる合意退去を目指し、それでも応じない場合は弁護士へ相談のうえで裁判や強制執行の手続きへ進むと良いでしょう。

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