アパートの建て替えの立ち退き料は?相場や費用を抑える方法も解説

老朽化したアパートの建て替えを検討する際、「入居者への立ち退き料は必要なのか」「いくら払えば良いのか」とお悩みではありませんか。
借地借家法で守られた入居者との交渉は一筋縄ではいかず、対応を誤ると計画が頓挫したり、予想外のコストがかさんだりするリスクがあります。
本記事では、立ち退き料の支払い要否を決める「正当事由」や相場の目安、さらに交渉を有利に進めて費用を抑えるための方法まで解説します。
スムーズな退去交渉を実現し、納得のいく形で建て替えを成功させたい方は、ぜひご参考になさってください。
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建て替えに立ち退き料は必要?

アパートの建て替えを検討する際、法律上の「正当事由」について理解し、どういった場合に立ち退きが認められるかを理解しておく必要があります。
まずは、借地借家法の概要や、立ち退き料が必要となるケースの判断基準について、解説していきます。
借地借家法と正当事由
借地借家法第28条では、貸主が更新拒絶や解約申入れをおこなう場合、「正当事由」が必要と定められています。
そのため、単に建て替えを希望するだけでは足りず、理由の整理と説明が重要です。
判断にあたっては、貸主と借主それぞれの建物を必要とする事情を比較し、状況を総合的に検討します。
具体的には、建物の利用状況や老朽化、耐震性、契約内容や家賃支払いの経緯などが考慮されます。
さらに、不足する事情を補う要素として立ち退き料も重要で、事前に計画を整えることで正当事由が伝わりやすくなるでしょう。
正当事由が認められる事例
正当事由が認められたケースとして、まずは過去の事例を確認しておきましょう。
築45年以上の木造物件では、旧耐震基準による安全性への懸念が重視され、100万円の立ち退き料提示を条件に明け渡しが認められました。
築50年超の物件では、過去に合意解約の経緯があった点が考慮され、家賃6か月分の給付が正当事由を補完しています。
また、法的手続きに基づく建て替え決議がある場合は、計画の必要性が高く評価され、合意形成が進みやすい傾向にあります。
一方で、計画が未確定の場合は判断が分かれるため、修繕案との比較をおこない、建て替えを選ぶ理由を明確にしておくことが大切です。
立ち退き料要否の判断
立ち退き料が必要かどうかは、契約形態や入居状況によって判断が分かれます。
定期借家契約の場合は期間満了で終了するため、原則として立ち退き料は発生しないのが一般的です。
一方で、普通借家契約でも、家賃滞納などの重大な契約違反や建物の滅失があれば、対応が変わることがあります。
また、災害により建物が使用不能となった場合は契約が終了し、金銭的負担が生じにくいケースもあります。
判断に迷う場合は、契約書や建物診断を基に整理し、資金計画や工程表を示して説明すると理解を得やすくなるでしょう。
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立ち退き料の相場目安

前章では、立ち退き料の要否について触れましたが、実際にはどのくらいの金額を用意すべきか気になりますよね。
ここでは、一般的に目安とされる「家賃6か月分」の根拠や、相場に影響する要素について解説します。
家賃6か月分が目安の理由
立ち退き料は正当事由の不足分を補うものであり、一律の金額が定められているわけではなく、個別事情に応じて調整するのが基本です。
給付の目的は、借主の方の住み替えを円滑にし、結果として合意形成を進めやすくする点にあります。
実務上は、「家賃6か月分」が1つの目安とされることが多いですが、これは法律で定められた一律の金額ではありません。
ただし、建物の老朽化の度合いや貸主側の必要性が強い場合には、より高い金額で調整されることもあるため注意しましょう。
6か月分を起点とし、借主の居住事情を踏まえて、丁寧に見積もる姿勢が重要です。
相場を決める要素と試算
金額の試算では、「月額賃料の6か月分」に引っ越しにかかる実費を、くわえて考える方法が一般的です。
たとえば、家賃8万円であれば48万円をベースとし、転居先の仲介手数料や火災保険料なども含めて見込んでおきます。
さらに、引っ越し業者への支払いや敷金の精算、新居の初期費用なども加味し、総額を整理しておきましょう。
これらを事前に把握したうえで提示額を決めることで、交渉全体の流れがより円滑になります。
入居期間が長い場合や店舗利用、高齢などの事情がある場合は、代替案も含めて早めに条件整理を進めると良いでしょう。
交渉のパターンと準備
交渉では、転居先の確保や費用の見通しなど、借主が感じる不安を一つずつ解消していく姿勢が重要です。
耐震診断結果や劣化状況の報告書、建て替え工程表などの客観資料を用意し、理由を丁寧に共有しましょう。
交渉窓口を管理会社や専門家に一本化することで、情報の齟齬を防ぎ、信頼関係を築きやすくなります。
また、通知は早めにおこない、転居先を探す十分な期間を確保することが、円満な合意につながります。
費用は見積もり書を根拠に説明しつつ、時期調整やキャンペーン活用なども提案し、書面を残しながら対話を重ねていくことが重要です。
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立ち退き料を抑える方法は?

ここまで、立ち退き料の相場目安を解説しましたが、賃貸経営をする際には、可能な限り費用負担を減らす方法もおさえておきましょう。
最後に、空室の活用や契約形態の見直しなど、立ち退き料を抑えるための3つの実践策について、解説していきます。
空室活用による費用の抑制
建て替え計画は、入居者が少ないタイミングで進めるほど調整がしやすく、結果として立ち退き料の総額も抑えやすくなります。
退去が出た部屋から新規募集を止め、時間をかけて自然に対象戸数を減らしていく方法が、実務上も取り入れやすい進め方です。
募集停止の時期は管理会社と十分に相談し、現在の入居状況や更新時期を一覧化したうえで、計画を立てると良いでしょう。
また、空室となった部屋は点検や建物診断のスペースとしても活用でき、建て替えの根拠資料を早期に整えられるメリットがあります。
更新月や退去予定を見据えて関係者と連携を取ることで、計画の実行性と資金面の安定性がさらに高まります。
定期借家契約への切替え
将来的な建て替えを視野に入れている場合、更新のない「定期借家契約」を活用するのも、有効な手段の一つです。
定期借家契約であれば、期間満了とともに契約が終了するため、原則として正当事由や立ち退き料の心配がありません。
ただし、契約の切り替えには借主の方の合意が不可欠となるため、更新のタイミングなどで丁寧に説明する必要があります。
その際は、契約期間を長めに設定するなど、次の住まい探しに十分な余裕を持てるよう配慮することで、合意形成が進みやすくなるでしょう。
また、期間満了の通知も早めにおこない、住み替えのサポート姿勢を示すことが、双方の安心感につながります。
代替物件の提案と交渉
立ち退き料は移転に伴う負担感に左右されるため、代替物件を具体的に提案することで、交渉が円滑に進むケースが多く見られます。
近隣エリアで条件の近い物件を紹介し、内見の手配や契約までの手続きを支援することで、借主の不安を軽減することが大切です。
また、希望条件を丁寧に確認したうえで複数の候補を提示できれば、比較がしやすくなり、合意までの期間短縮にもつながるでしょう。
さらに、引っ越し業者の手配や各種手続きの確認一覧を共有し、移転作業全体の負担を減らす配慮も効果的です。
金銭面だけでなく、具体的なサポートをセットで示すことで、円満な合意と結果的な費用抑制の両立が期待できます。
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まとめ
建て替えに伴う立ち退きには正当事由が求められ、建物の老朽化や借主の事情、立ち退き料の有無などを踏まえて判断されます。
立ち退き料に定額の基準はありませんが、家賃の6か月分を目安に、引っ越し代などの実費をくわえるケースが一般的です。
費用を抑えるには、空室活用や定期借家契約への切り替え、代替物件の提案を組み合わせ、計画的に交渉を進めることが重要です。
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株式会社エムズ
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