アパート経営を個人事業主がするメリット!個人事業税や法人化も解説

アパート経営を個人事業主がするメリット!個人事業税や法人化も解説

アパート経営を検討するなかで、個人事業主としてスタートすべきかどうかや、具体的にどのような税金がかかるのかとお悩みではありませんか。
正しい知識を持たずに経営を続けると、利用できるはずの控除を見落としたり、法人化による節税メリットを逃したりするリスクがあります。
そこで本記事では、個人事業主ならではの青色申告や損益通算といったメリットから、事業税の計算、法人化の判断基準までを解説いたします。
手元に残る資金を増やし、安定した賃貸経営を目指す方は、ぜひご活用ください。

アパート経営を個人事業主でおこなうメリット

アパート経営を個人事業主でおこなうメリット

アパート経営を個人事業主でおこなうメリットには、主に税制上の優遇措置などがあります。
主なメリットの3つについて解説していきます。

青色申告で65万円控除

青色申告とは、一定の要件を満たしたうえで正規の簿記の原則(複式簿記)に沿って記帳・申告することで、最大65万円の青色申告特別控除など、税制上の優遇を受けられる制度です。
その中心となる青色申告特別控除は最大65万円ですが、帳簿の付け方や申告の方法によって金額が変わります。
満額の65万円控除を受けるには、「5棟10室基準」を満たす事業規模で経営し、複式簿記で帳簿をつけることが必要です。
作成した貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)を申告書に添付し、期限内に提出することが前提となります。
インターネットで申告するe-Taxを利用するか、電子帳簿保存の条件を満たして申告することで、65万円の控除が受けられます。

家族への給与を経費化

家族に支払う給与を経費にできる「青色事業専従者給与」は、所得を家族で分けられる方法です。
対象は同居の15歳以上で、年間6か月超その事業に従事している親族に限られます。
利用には届け出が必要で、3月15日まで(または開業後2か月以内)に、仕事内容や給与計算の根拠を書類で提出しなければなりません。
給与額は、仕事内容に見合った常識的な水準であることが前提で、高すぎる部分は経費として認められない可能性があります。
家族側に給与所得控除が適用される一方で、103万円超で扶養から外れる点や社会保険料の負担増も考慮が必要です。

損益通算による節税効果

損益通算とは、アパート経営で出た赤字を給与などの所得から差し引ける制度で、会社員にも有効な節税方法です。
減価償却費は実際の支出を伴わず経費にできるため、帳簿上の赤字が出やすく、損益通算の効果を高めます。
とくに、アパートを購入した初年度は、登記費用や不動産取得税などの出費が重なるため、赤字になりやすい時期といえるでしょう。
仮に、給与800万円でも赤字300万円であれば、課税所得は500万円になり税負担が軽減されるのです。
ただし、不動産所得の赤字のうち、土地取得のためのローン利息に相当する部分は、損益通算の対象外となる点には注意が必要です。

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アパート経営と個人事業税の仕組み・計算方法

アパート経営と個人事業税の仕組み・計算方法

前章では、個人事業主のメリットについて述べましたが、個人事業税などの税負担も気になるのではないでしょうか。
ここでは、アパート経営において個人事業主が負担する、個人事業税の仕組みと計算方法について解説いたします。

課税対象となる条件

個人事業税は都道府県に納める税金で、法律で定められた業種の事業に対し、その所得に応じて課税される仕組みです。
アパート経営は「不動産貸付業」にあたり、「事業」として認められると課税対象となります。
その目安となるのが「5棟10室基準」で、保有物件が5棟未満、または部屋数が10室未満の場合は、原則として不動産貸付業における事業的規模とは認められません。
ただし、規模が小さくても管理の状況や収入の大きさなどから、総合的に判断されて「事業」と認められるケースもあります。
駐車場経営は「駐車場業」として別扱いで、貸している台数や設備によって別の基準が設けられている点も特徴です。

税率と計算シミュレーション

税額は以下の計算式を用いて計算し、不動産貸付業の場合、税率は5%となります。
「(所得金額-290万円の事業主控除)× 税率」
ここで使う「所得金額」は、所得税の計算で用いる青色申告特別控除(最大65万円など)を差し引く前の金額であり、この控除は個人事業税の計算には反映されません。
たとえば、所得が500万円なら(500万円-290万円)× 5% = 10万5,000円が年間の税額となります。
支払いは年2回(8月と11月)が基本で、送付される納税通知書を使って期日までに納めなければなりません。

個人事業税が非課税の例

個人事業税がかからない典型例として、「5棟10室基準」に満たず事業と見なされない小規模経営があります。
また、事業と認められても所得が290万円以下の場合、事業主控除により課税対象が0円となり、結果的に非課税になります。
空室が多かった年や家賃収入が下がった年、大規模修繕で経費が増えた年などは、所得が290万円を下回るケースもあるでしょう。
アパート購入初年度も登記費用などの初期費用が重なるため、青色申告の有無に関係なく、個人事業税が発生しない場合が多いです。
ただし、最終判断は都道府県税事務所がおこなうため、不明点は早めに相談して確認しておくと安心です。

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個人事業主と法人の違い

個人事業主と法人の違い

ここまで、個人事業主のメリットや税金を解説しましたが、法人化との比較もおさえておきましょう。
最後に、アパート経営における個人事業主と法人の違いや、法人化の目安について解説していきます。

所得による税率の違い

個人の所得税は「累進課税」で、所得が増えるほど税率が高くなります。
たとえば、課税所得900万超〜1,800万円以下の部分には33%が課され、住民税約10%と個人事業税5%をくわえると、実質的な税負担は最大で約48%に及びます。
一方で、法人化すると中小企業は所得800万円以下で約21〜25%、それ以上でも約30〜34%と、税負担を抑えやすくなるでしょう。
アパート経営の課税所得が900万〜1,000万円程度で安定する場合は、法人化のほうが有利となる可能性が高いです。
ただし、個人事業税には290万円の控除があるため、自身の状況に合わせて試算して判断することが大切です。

法人化の主なメリット

法人化のメリットは、家族を役員にして役員報酬を支払い、世帯全体の税率を下げやすい点です。
役員報酬は、個人の専従者給与と異なり従事する条件がなく、実態に合えば非常勤でも経費(損金)にできます。
将来の資産承継(相続など)においても、株式での引継ぎや役員退職金の活用で、評価額を抑える工夫が可能になります。
社会的な信用度が上がるため、金融機関から追加の融資や、長期固定金利ローン(プロパー融資)なども受けやすくなるでしょう。
決算月を自由に決められる点や、生命保険料や役員社宅など、経費として認められる範囲が広がる点もメリットです。

法人化の注意点

法人化には、株式会社で約20万〜25万円、合同会社で約6万〜10万円の設立費用がかかります。
また、赤字でも毎年約7万円の法人住民税(均等割)が発生し、税務申告の複雑さから税理士費用も年間数十万円ほど必要になります。
社会保険への加入義務により保険料の半分を会社が負担するため、固定費はさらに増える点も押さえておきましょう。
役員報酬は基本的に年1回しか変更できず、資金の柔軟性が下がることも理解しておく必要があります。
法人化は、所得・事業計画・家族構成・相続などを踏まえて総合的に判断し、個人と法人の両方で収支を試算して比較することをおすすめします。

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まとめ

個人事業主としてアパート経営をおこなうと、最大65万円の青色申告控除、家族への給与の経費化、給与所得などとの損益通算で節税が可能です。
事業規模が5棟10室基準などを満たすと個人事業税の対象となり、所得から290万円の控除を引いた金額に5%の税率で課税されます。
所得が安定して900万円を超える場合、税率が低い法人化も選択肢ですが、設立費用や社会保険料などの維持費も含めて検討しましょう。

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