空室対策として高齢者を受け入れるリスクは?メリットや事前準備も解説

なかなか埋まらない空室の対策として、高齢者の入居を考えたことはありませんか。
高齢者の入居は長期的な安定収入につながるなどのメリットも多く、想定されるリスクは事前の準備で十分に軽減することが可能です。
この記事では、高齢者入居がもたらすメリットとリスク、さらにオーナーが安心して高齢の入居者を迎えるためにできる準備について解説いたします。
空室対策として、高齢者への入居を前向きにご検討されている賃貸物件のオーナーの方は、ぜひこの記事をご参考になさってくださいね。
空室対策における高齢者入居の意外なメリット

空室対策として高齢者の入居を受け入れることには、安定した賃貸経営につながる多くのメリットがあります。
まずは、高齢者の入居を受け入れることでオーナーが得られるメリットについて、解説していきます。
長期入居で収入が安定
高齢の入居者を受け入れるメリットは、長期的な入居による安定した家賃収入を見込める点です。
学生や若い社会人は、卒業や就職、転勤や結婚などで引っ越す機会が多くなります。
そのたびに広告費や仲介手数料が発生するため、空室期間の家賃も途絶えやすいです。
一方、高齢の方は生活の基盤がすでに定まっており、住環境を変える負担が大きい背景があります。
そのため、1度入居が決まれば、長期間住み続けてくれる傾向が他の世代より強く見られます。
ある調査では、65歳以上の賃貸居住期間は、半数以上が6年以上という結果もありました。
入退去コストや空室リスクを抑えられるため、長期的な収益計画を立てやすくなります。
部屋を綺麗に使ってくれる
次に、部屋を丁寧に使用してくれる傾向があるため、退去時の原状回復費用を抑えられる点も魅力といえるでしょう。
高齢の入居者は在宅時間が長く、お部屋への愛着が深いと考えられます。
日々の掃除や整理整頓を心がける方が多く、住まいを大切に扱ってくれることが期待できます。
もちろん個人差はありますが、賃貸物件の現場では、優良な入居者と見られるケースが多いです。
大きな損傷が減れば高額な修繕の発生を抑えられ、壁紙の全面張り替えなどが不要になる場面もあります。
これは、オーナーの負担を軽くし、物件の資産価値も保ちやすくなるといえるでしょう。
近隣トラブルが少ない
共同生活のルールやマナーを守ってくれるため、近隣トラブルが少ないことも挙げられます。
賃貸経営では、騒音やゴミ出しのルール違反などが悩みの種になりやすいです。
こうした問題は、他の優良な入居者の退去につながるため、見過ごせません。
その点、高齢の入居者は常識を理解し、規則を守る方が多いとされています。
夜間の大きな物音や頻繁な来客も少なく、静かな生活を好む傾向が見られます。
そのため、良好な住環境が保たれると物件の評判が高まり、空室対策にもつながる好循環が生まれるでしょう。
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空室対策における高齢者入居で想定すべき3つのリスクと現実

前章では高齢者入居のメリットを述べましたが、一方で事前に把握しておくべきリスクもありますよね。
ここでは、高齢者の入居を受け入れる際に想定すべき、リスクについて解説いたします。
孤独死による物件価値低下
もっとも深刻なリスクとして、お部屋の中での孤独死の発生が挙げられます。
発見が遅れると、ご遺体の傷みが進み、室内に大きなダメージを与える恐れがあります。
通常の清掃では対応できず、数10万円以上かかる特殊清掃が必要になることも少なくありません。
この費用は原則相続人に請求しますが、不在の場合はオーナー負担となります。
さらに、このような事態が起きた物件は「事故物件」とされ、資産価値が下がりやすくなります。
次の入居者を見つけるために、家賃を周辺相場より2割~5割下げざるを得ない場合もあるでしょう。
1度下がった価値が回復するまでには時間がかかり、経営に影響を与えてしまいます。
病気や室内事故への対応
ご高齢の方特有の持病の悪化や、室内での事故が起きた際の対応というリスクもあります。
加齢による機能低下で、転倒や骨折、火の不始末による火災などの可能性が高まります。
万が一倒れているのを発見した場合、救急要請などでオーナーが対応に追われることもあるでしょう。
また、手すりの不備など、建物の欠陥が原因で怪我をした際は、責任を問われる恐れもあります。
火災は自室だけでなく、他室へ延焼や水濡れ被害を生む可能性がある点にも注意が必要です。
緊急対応は精神的負担が大きく、思わぬ費用が発生することもあります。
家賃滞納と保証人の問題
最後に、収入面の不安から生じる家賃滞納と、保証人を確保しにくい問題が課題となります。
高齢の入居者の主な収入源は年金で、現役世代のように増収は見込みづらいのが実情です。
支給額が減る可能性もあり、安定しているとはいい切れません。
急な病気や介護で医療費が増えると、家計が圧迫され、家賃の支払いが難しくなる場合もあります。
また、滞納が発生すると収入源が限られているため、回収が難航しやすいでしょう。
連帯保証人は、親族が既に亡くなっていたり同様に高齢であるなど、確保が困難なこともあります。
保証会社の審査も高齢を理由に厳しくなることがあり、否決される事例もあります。
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リスクに備えて高齢者入居前にすべき3つの準備

ここまで、高齢者入居のリスクを解説しましたが、リスクを軽減するために、オーナーができる準備もおさえておきましょう。
最後に、高齢者を安心して受け入れるために、事前にしておくべき準備について解説していきます。
見守りサービスの導入
1つ目の準備は、入居者の安否をさりげなく確認できる、「見守りサービス」を導入することです。
目的は孤独死のリスクを下げ、万が一の際も早期発見につなげることにあります。
ドアの開閉や家電の使用状況を検知するIoTセンサー型は、プライバシーに配慮しやすい手法です。
地域事業者の定期訪問や、配食サービスと連携した対話型の見守りも有効です。
このサービスは月額数千円程度から利用でき、オーナー負担の付加価値として提供する方法もあります。
もしもに備える保険加入
2つ目の準備として、高齢者特有のリスクに備える保険に加入しておきましょう。
一般的な火災保険では、孤独死時の原状回復費用などが補償されない場合があります。
そのため、「家主費用保険」や「孤独死保険」など、オーナー向け商品を検討しましょう。
特殊清掃や遺品整理、工事期間中の家賃損失などを補償するタイプがあります。
また、事故物件化による家賃引き下げの差額を、一定期間補う特約が付く商品もあります。
なお、補償上限や期間、対象となる死亡原因などを細かく確認することが重要です。
保険料は必要経費として計上できるため、防衛策として有効といえます。
契約書に特約を盛り込む
3つ目の準備として、万が一の事態を想定した特約を、契約書に盛り込むことが重要です。
通常の契約書には、入居者死亡後に室内に残る、家財の取り扱いが定められていない場合が多くあります。
法律上家財は相続人の所有物であり、オーナーが無断で処分できず問題化しやすいです。
相続人が見つからないと解決まで時間と費用がかかり、次の募集も止まってしまいます。
これを防ぐために、まずは緊急連絡先を複数確保し、連絡への同意を事前に得ておきましょう。
併せて、死後に家財を処理する責任者をあらかじめ指定してもらうことも有効です。
こうした法的準備により、迅速な対応と早期の原状回復が可能になります。
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まとめ
高齢の入居者は長期入居が多く、部屋を丁寧に使い近隣トラブルも少ないため、安定した賃貸経営につながります。
ただし、孤独死による価値低下や家賃滞納、病気・事故時の対応などのリスクがあることを理解しておきましょう。
見守りサービスや専用保険の利用、契約書での緊急対応特約を整備しておくと安心です。

株式会社エムズ
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