賃貸借契約の覚書について!契約書との違いや記載する内容も解説

賃貸借契約の覚書について!契約書との違いや記載する内容も解説

賃貸経営で、契約書にない特別な許可を与えたり、後から条件を変更したりする際、どのように合意を書面に残すべきか悩んでいませんか。
そんな時に役立つ「覚書」は、契約書と同等の法的効力を持ち、将来のトラブルを防ぐための重要な役割を果たします。
本記事では、覚書の基本から活用場面、さらに法的に有効な作成のコツまでを、オーナーの視点で解説いたします。
入居者との約束事を明確にし、安心して賃貸経営をおこないたい方は、ぜひご参考になさってくださいね。

覚書とは?

覚書とは?

賃貸借契約を締結するうえで、まずは覚書の基本をおさえることが重要です。
ここでは、賃貸借契約における覚書の基本と契約書との違いについて解説していきます。

覚書と契約書の定義

契約書とは、貸主と借主、お互いの権利や義務を正式に定めるための文書を指します。
賃貸借契約においては、お部屋の情報や家賃、契約期間といった基本的な約束事をすべて盛り込んだものが契約書にあたります。
一方で、覚書は契約書の内容を補ったり、一部を変えたりするために作られる文書です。
その名の通り、後々のためにお互いの合意内容を書き留めておくといった、補助的な意味合いが強いものといえるでしょう。
そのため、特定の事柄に絞ってシンプルに記載されることが多く、契約書に付属する文書と位置づけられています。

法的効力と構成の違い

書類の名前が「契約書」でも「覚書」でも、法律上の力に本質的な違いはありません。
法律の世界では、書類のタイトルで効力が決まるわけではなく、その中身が重視されます。
お互いが特定の内容に合意し、その証として署名や捺印があれば、文書は有効になるのです。
ただし、契約書は様々なルールが体系的に書かれているのに対し、覚書は特定のテーマに絞って作られるといった、書類の構成には違いがあります。
このシンプルさと、元の契約を補う手軽さが、覚書ならではの特徴といえるでしょう。

覚書活用のメリット

オーナーが覚書を活用するメリットは、手軽さと早さにあります。
たとえば、入居の途中で「ペットを飼いたい」と相談された場合、契約書を1から作り直すのは大変です。
しかし、覚書を使えば、許可する条件など必要なポイントに絞って、素早く正式な合意を書面に残せるのです。
これにより、口約束で起こりやすい「言った、言わない」といった水掛け論を防ぐことができます。
一方で、1つの契約に複数の覚書が紐づくと、契約内容の全体像が分かりにくくなる恐れがあるといった、書類の管理が大変となる点がデメリットです。
手軽な反面、書く内容が曖昧になってしまい、かえって新たなトラブルの原因を生む危険性も否定できません。
覚書が役立つ場面としては、一時的に家賃を下げたり、楽器を演奏できる時間を決めたりといったケースが考えられます。

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賃貸借契約で覚書が役立つ場合と作成タイミング

賃貸借契約で覚書が役立つ場合と作成タイミング

前章では覚書の基本について述べましたが、実際にどのような場面で役立つのか気になりますよね。
ここでは、賃貸借契約における覚書が役立つ場面と、作成のタイミングについて解説いたします。

特別な合意を残す時

覚書がとくに役立つのは、最初の契約書では想定していなかった事態が起きた場合です。
代表的な例は、契約時には禁止していたペットの飼育を、新たに許可するケースです。
その際は、飼うペットの種類や数、お部屋を出る際の修繕費用の負担についてなどを細かく定めます。
入居者が壁紙の張り替えといった、小規模なリフォームを希望された場合にも覚書は有効となります。
この他にも、楽器を演奏できる時間のルールや、同居人を増やす際の条件などを決めるのにも役立つでしょう。

契約後の条件変更時

契約を結んだ後に条件を変える際は、まずオーナーと入居者の間で具体的な条件を相談し、お互いが納得できる形で合意することが大切です。
次に、その合意内容をもとに、オーナーか管理会社が覚書の案を作ります。
出来上がった案を入居者に見せて、内容に間違いや思い違いがないか、お互いにしっかり確認しましょう。
最終的な文章に双方が合意できたら、書類にそれぞれ署名と捺印をする、という流れになります。
この手続きで注意したいのは、合意内容をできるだけ具体的に書くことです。
「常識の範囲で」といった曖昧な言葉は、人によって受け取り方が違い、トラブルの元になりかねないため注意しましょう。

覚書作成の実務の流れ

オーナー目線の実務として、まず署名と捺印は、法的な証拠としての力を高めるうえで重要です。
貸主と借主、両方の署名(または記名)と押印を揃えることで、お互いの合意があったことを明確に示すことが可能です。
保管方法として、作った覚書は、元の賃貸借契約書と一緒に保管するのが基本となります。
契約内容が変わった経緯が後から誰にでも分かるよう、日付順にまとめておくと管理がしやすくなります。
また、覚書は互いの公平さを保つために2通作り、双方が同じ内容のものを1通ずつ持っておきましょう。
近年では、電子契約や電子署名を活用して覚書を作成することも可能です。
電子署名で作成した覚書も、法律上有効と認められており、遠隔地の入居者との合意もスムーズにおこなえます。
ただし、契約内容や収入印紙の扱いについては、紙の書面と同様に注意が必要です。

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賃貸借契約の覚書に記載すべき内容と作成のポイント

賃貸借契約の覚書に記載すべき内容と作成のポイント

ここまで覚書の活用場面を解説しましたが、実際の作成方法もおさえておきましょう。
最後に、賃貸借契約における覚書に記載すべき項目と作成のコツについて解説していきます。

記載すべき基本情報

まず、覚書に必ず書くべき基本的な項目として、タイトルや日付、当事者の情報などが挙げられます。
タイトルは「覚書」とするのが一般的ですが、「ペット飼育に関する覚書」のように、内容が分かるようにするとより親切です。
日付は双方が合意してサインした日を、当事者情報には貸主と借主の住所・氏名を正確に書きます。
さらに、この覚書が「どの契約書」に関するものかをハッキリさせるための、前書きの記載が欠かせません。
「令和〇年〇月〇日に結んだ賃貸借契約書の一部を変更する」といった形で、元の契約書を特定しましょう。
こうすることで、元の契約書と覚書の関係が明確になり、法的に1つのセットとして扱われるようになります。

合意内容の記載のコツ

覚書で1番大切な合意内容を書く際は、曖昧な表現をできる限り使わないことが何よりも重要です。
たとえば、家賃を変えるなら、どの条項をいつからいつまで、いくらに変更するのか、といった点までハッキリと記します。
曖昧な表現を避けるコツは、「いつまでに」「誰が」「何を」「どうするのか」を、具体的に書くことといえるでしょう。
このように、第三者が読んでも解釈が1つに定まるように書くことが、トラブルを防ぐ鍵となるのです。

証拠力を高める手続き

作成した覚書の証拠としての力を高める手続きとして、まずお互いの署名と捺印が挙げられます。
自筆のサインと押印が揃うことで、本人の本当の意思で作成されたことの強力な証拠となります。
さらに、2通作った覚書にまたがるように押す「割印」をしておけば、改ざん防止に一層効果的です。
次に、覚書の内容によっては、収入印紙の貼り付けが必要になる点にも注意しなくてはなりません。
たとえば、家賃の金額変更など、契約金額が変わる覚書には、原則として200円の収入印紙が必要です。
最後に、覚書の内容が元の契約書や、法律のルールと食い違っていないかを確認しましょう。
内容に少しでも不安があれば、事前に弁護士などの専門家に見てもらうと安心です。

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まとめ

覚書は、元の契約書を補うための文書ですが、当事者同士の合意があれば契約書と同じ法的効力を持ち、手軽に作成できるのが特徴です。
ペット飼育の許可や同居人の追加など、契約後に特別な合意が生まれた際に、口約束ではなく書面で証拠を残すために作成されます。
作成時は元の契約書を特定したうえで、合意内容を具体的に記載し、トラブル防止のため、双方の署名捺印や割印をしておくと良いでしょう。

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