空室対策でリフォームは必要?設備や間取りの工夫についても解説

空室対策でリフォームは必要?設備や間取りの工夫についても解説

賃貸物件の空室が続いて悩んでいるオーナーの方にとって、リフォームは効果的な対策のひとつといえるでしょう。
しかし、すべての物件にリフォームが有効とは限らず、まずは本当に必要かどうかを慎重に判断することが大切です。
成功につなげるには、リフォームの方法や費用対効果について理解を深めたうえで取り組む必要があります。
この記事では、空室対策としてのリフォームの必要性や具体的な実施方法、費用の目安について詳しく解説します。

空室対策にリフォームは必要?

空室対策にリフォームは必要?

空室が続くと、賃貸経営における収益の低下や、物件価値の減少といった問題が生じます。
そのため、効果的な空室対策が求められるでしょう。
なかでもリフォームは、物件の魅力を高める手段の一つとして注目されています。
しかし、リフォームには費用がかかるため、その必要性や優先順位を見極めなければなりません。

優先順位

リフォームを空室対策の第一手とするよりも、家賃や募集条件の見直しといった低コストの対策で反応を確認し、そのあとに改修を検討する方が効率的です。
なお、省エネルギーやバリアフリーに関する改修は、国土交通省の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」などにより補助金を受けられる可能性があり、活用すれば費用負担を抑えて物件価値を高めることができます。
また、近年は原状回復の範囲が厳格に定められており、過度な改修は退去時の費用負担増加につながる可能性があります。

後回し

家賃調整や清掃強化など、費用の少ない改善策で効果が得られなかった場合に、初めてリフォームを検討する流れが一般的です。
改修を実施する際は、家賃の上昇幅と投資額を比較し、必要最小限の内容に絞ることで回収リスクを抑えることができます。
また、物件の築年数や市場における競合状況、周辺の空室率をあわせて分析することで、改修の必要性を客観的に判断しやすくなります。

費用

リフォーム費用は、内容によって大きく変わります。
モニター付きインターホン設置は約1.5万円~5万円、畳をフローリングに替える場合は6畳で約12万円~18万円が目安です。
支出と家賃上昇を比較し、2年以内に回収できる投資かどうかを判断基準の一つにすると、損失を避けやすくなります。
また、単身者には宅配ボックス、ファミリー層には対面式キッチンといったように、入居者の需要に合わせた設備を選ぶことで費用対効果を高められます。

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空室対策にリフォームする方法

空室対策にリフォームする方法

入居者満足度向上につながる三つの要素は、設備、間取り、内装です。
それぞれをバランス良く整えることで、内見の段階から好印象を与え、退去抑制にもつながります。
以下では、具体的な改善ポイントについて解説いたします。

設備のリフォーム

水回りやキッチンなど、生活に直結する設備を刷新すると、入居者満足度が大きく向上します。
浴室の保温性能向上や節水トイレ、システムキッチンは効果が高く、単身者には宅配ボックスとモニター付きインターホン、ファミリー層には独立洗面台が特に好まれます。
さらに、防犯カメラやオートロックの追加も差別化に有効で、女性や高齢者からの支持を得やすくなるでしょう。
また、省エネ機器を導入すれば光熱費が下がり、長期的に入居者の満足度を維持できる点もメリットです。
オンライン内見が主流となっている今、照明の色味や通信速度など、遠隔で差が分かる要素を強化すると効果的です。

間取りのリフォーム

和室を洋室に変える、2DKを1LDKに統合するなどの改装は、若年層やカップルからの問い合わせを増やす有効な手段です。
収納の少ない住戸にクローゼットを設ける、壁を抜いて開放的なLDKを作るといった改善は、居住空間の自由度を高めるため、内見時の印象を大きく向上させます。
なかでも、2DKから1LDKへの改装は約100万円~250万円で実施でき、広告上の差別化にもつながります。
テレワーク需要が高いエリアでは、書斎スペースを確保するリフォームも検討すると競争力がさらに高まるでしょう。

内装のリフォーム

壁紙や床材の張り替え、照明の色温度調整は、低コストながら内見時の印象を大きく変えます。
デザイン性の高いアクセントクロスを採用すれば、写真映えを狙った物件紹介が可能となり、ネット検索での閲覧数増加につながります。
また、収納や棚を追加して実用性を高めれば、長期入居の動機付けにもなるでしょう。
さらに、床材をフロアタイルに更新すると、掃除が簡単になり管理コストの低減にも寄与します。

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空室対策でリフォームするときの費用相場

空室対策でリフォームするときの費用相場

賃貸物件の空室対策としてリフォームを検討する際、費用相場を正しく把握することは非常に重要です。
設備、間取り、外壁といった各要素におけるリフォーム費用の目安を理解し、効果的な投資判断をおこないましょう。
また、費用相場を把握したうえで投資回収シミュレーションをおこない、年間のキャッシュフローに落とし込むことが成功の鍵となります。
以下では、各項目ごとの費用相場とポイントについて詳しく解説いたします。

設備にかかる費用

システムキッチンへの交換は上限約100万円、ユニットバスは約75万円、トイレの洋式化は約30万円が目安です。
リフォーム費用は工事内容だけでなく、地域の人件費や資材価格の変動、工事時期の繁忙閑散によっても上下します。
また、繁忙期を避けて見積もりを複数比較すると、同じ内容でも数十万円の差が出ることがあるため、スケジュール調整は重要です。
洗面台交換では10万円未満から30万円超まで幅があり、収納力やデザイン性によって投資額は変動します。
これら水回りへの投資は、高額でも物件価値を大きく押し上げるため、空室が多い物件ほど優先度が高まります。
さらに、エネルギー効率の高い給湯器やLED照明を同時に導入すると、ランニングコストも削減でき、入居者の評価が向上するでしょう。
なお、同時期に複数戸まとめて発注すれば、スケールメリットによりキッチン1台あたり約10万円節約できた事例もあります。

間取りにかかる費用

和室を洋室に替える場合は、6畳で約20万~40万円、押入れをクローゼットに変えると約8万~25万円になります。
壁を抜いてLDK化する工事は、配管や電気配線の移設が伴うため、100万円前後を見込むと安全です。
一方、間取り変更では耐震壁の撤去や排水管の延長が必要になる場合があり、構造計算や追加工事のコストが生じる点にも注意が必要です。
また、古い建物ではアスベスト除去費用が発生する可能性もあるため、事前調査をおこない予備費を確保しておくと安心でしょう。
こうした改装は、物件の間取りバリエーションを増やし、ターゲット層への訴求力を高めます。
さらに、床暖房を追加するなど快適性を向上させるリフォームは投資額が大きくなりますが、高所得層向け物件では早期回収が期待できます。

外壁にかかる費用

外壁塗装は、1㎡あたり約3000~3500円(シリコン塗料基準)で、耐用年数は約15年です。
外壁材が劣化している場合は張り替えが必要になり、モルタル下地の補修やシーリングの打ち替えを含めると塗装だけの倍近い費用となることもあります。
また、色味や光沢の選定次第で建物の印象は大きく変わるため、入居ターゲットの年齢層やデザイン嗜好を踏まえてカラーシミュレーションをおこなうと効果的です。
フッ素塗料にすれば塗膜寿命が延びますが、初期費用が高いため長期保有計画との兼ね合いで判断します。
さらに、足場を他の外装工事と共用すればコストを抑えられ、外観改善による内見数増加も期待できるでしょう。
くわえて、雨どい交換や屋根の補修を同時におこなうと、外装全体のメンテナンス周期が揃うため、将来的な出費を抑えられます。

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まとめ

空室対策としてリフォームをおこなうことで、物件の印象が向上し、入居希望者からの反応を得やすくなります。
ただし、工事にはコストがかかるため、物件ごとの状況や改善すべき優先度を見極めることが重要です。
設備や間取り、外観の改修も選択肢としつつ、効果的なリフォーム計画で空室解消を目指しましょう。

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株式会社エムズ

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