修理代は大家負担?トイレ故障時の対応やリスクについても解説

所有する賃貸物件で突然トイレが故障した際、その修理費用は大家と入居者のどちらが負担すべきかでお困りではありませんか。
経年劣化によるものか入居者の過失によるものか判断に迷うことは多く、対応が遅れてしまえば入居者の不満に繋がり、最悪の場合は賃料減額などのトラブルに発展するリスクも抱えています。
本記事では、トイレ故障時における費用負担の明確な判断基準をはじめ、修繕義務免除特約の具体的な活用法や、大家が押さえるべき実務上の対応方法について解説します。
費用負担の線引きを正しく理解し、不測の事態にもスムーズに対応できる賃貸経営を目指したいオーナーの方は、ぜひご参考になさってくださいね。
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トイレ修理の費用負担

トイレの故障対応において把握すべき内容には、主に経年劣化か過失かという原因の特定があります。
まずは、修理費用は誰が負担するのかという、判断基準について解説します。
経年劣化の事例と民法
賃貸物件のトイレは、毎日の生活に欠かせない設備であり、通常使用で生じた故障は大家負担が基本といえるでしょう。
民法606条では、賃貸人が物件を通常どおり使える状態に保つため、必要な修繕をおこなう義務を定めています。
また、民法621条では通常損耗や経年変化は入居者の原状回復義務から外れるため、費用判断の前提として押さえておきましょう。
原状回復義務とは、入居者の故意や過失で傷んだ部分を、借りた時の状態へ戻す義務を指します。
たとえば、タンク内部の樹脂部品の摩耗や、シーリング材の硬化による少量の水漏れなどは経年劣化にあたるケースでしょう。
症状別の費用負担分担
水漏れの原因が給水管の接続部や、止水栓のパッキン劣化であれば、大家負担と整理しやすい症状でしょう。
パッキンとは、接続部のすき間をふさいで水を止めるゴム製の小さな部品を指します。
また、タンク内の水量を調整するボールタップは、7年~10年で交換時期を迎えやすい部品でしょう。
鎖切れやゴムの摩耗で水が流れ続ける場合も、通常使用の劣化として扱うと判断しやすいといえます。
一方で、配管のつまりは原因ごとの確認が必要であり、木の根の侵入や勾配不良なら大家負担になりやすいでしょう。
ただし、異物を流したことが原因であれば、入居者の過失として費用負担を求めます。
事前確認すべきポイント
入居者から連絡を受けたら、まず修繕履歴を確認し、交換部品や対応内容を台帳で把握しておきましょう。
数か月前に交換した部品で不具合が再発した場合は、施工内容と使用状況を業者の所見と併せて見直します。
次に、設置からの使用年数を調べ、部品交換で済むのか、本体交換を検討すべきか判断すると良いでしょう。
とくに、温水洗浄便座などは、設計上の使用期間が10年程度の製品もあるため、資料確認が大切です。
また、設置後1年~2年ほどであればメーカー保証を使える場合があり、保証期限も早めに確認してください。
修繕履歴、使用年数、保証を順に整理すれば、費用負担の説明や手配も進めやすくなります。
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入居者の修理費支払い条件と修繕義務免除特約

前章では、大家が負担するケースについて述べましたが、入居者の過失による故障も想定されます。
ここでは、入居者が費用を支払うケースと特約の活用法について解説します。
免除特約の条項と要件
修繕義務は民法606条が基本ですが、契約で小修繕扱いを定めることも有効でしょう。
軽微な修繕について大家の義務を免除する特約を使う場合は、対象を契約書に記載します。
たとえば、給水管のパッキン取替えや便座の軽微な部品交換など、入居者負担で対応できる範囲を示すと伝わりやすいでしょう。
そのうえで、小修繕の範囲を別表にまとめ、契約時に入居者の理解と合意を得ておきましょう。
一方で、便器本体の交換など高額な修繕まで含めると説明が難しくなるため、対象から外しておくと安心できます。
なお、特約は自費修繕を強制するものではないため、大家が介入する基準も決めておく必要があります。
入居者過失と証拠保全
入居者の不注意で故障が起きた場合は、善管注意義務に基づき、入居者へ請求できることがあります。
善管注意義務とは、一般的な注意を払い、借りている設備を適切に扱う義務と考えましょう。
たとえば、水に溶けない異物を流してつまらせた場合は、通常使用を超えた行為と見られやすいでしょう。
また、タンク内へペットボトルや固形洗浄剤を落として部品が破損した場合も、過失の根拠になり得ます。
ただし、費用請求を円滑に進めるには、作業前の写真撮影や報告書作成を業者へ依頼することが欠かせません。
取り出した異物の現物や写真、専門業者の所見を添えて説明すれば、請求の根拠を客観的に示せます。
不具合放置の追加請求
水漏れなどを見つけた入居者には、民法615条に基づく通知義務があるでしょう。
これは、修繕が必要な状態を知った際、大家や管理会社へすぐ連絡する義務です。
もし微量な水漏れを放置して、床材の張り替えが必要になった場合は、原因箇所と拡大被害を分けて考えましょう。
最初の部品劣化は大家負担でも、放置で広がった床や階下の復旧費は、通知義務違反として請求対象になり得ます。
そのため、原因箇所の修理見積もりと拡大部分の復旧見積もりを分けて提示すると、双方が整理しやすいでしょう。
契約書には、止水栓を閉めて管理窓口へ連絡するなど、行動ルールを明記しておくと安心です。
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大家が気を付けるべきトイレの故障対応のリスク管理

ここまで、費用の切り分けについて解説しましたが、その後の実務対応におけるリスクも気を付けておきましょう。
最後に、大家が押さえるべき3つのリスク管理について解説します。
即日対応手順の整備
トイレが使えない状態が長く続くと、民法611条により賃料減額の検討が必要な場合もあるでしょう。
賃料減額とは、使用できない部分の割合に応じて賃料を調整する仕組みのことです。
トイレが使用不能になった場合は、免責日数を1日とし、月額賃料の30%が減額の目安とされる点に注意しましょう。
このような事態を避けるため、大家や管理会社は緊急連絡先と対応手順を用意してください。
また、連絡時に症状や水漏れの有無を順に確認し、夜間や休日も動ける水道業者を登録しておくと安心です。
管理会社と一定金額までの一次出動を承認する基準を共有すれば、部品手配や現地対応の判断も速くなるでしょう。
保険適用時の負担注意
修繕義務免除特約を設定していても、保険請求や被害対応は大家主導で進めるべき場面もあるでしょう。
建物の所有や管理に伴う損害に備える保険には、施設所有者賠償責任保険などがあります。
たとえば、給排水管の老朽化で階下に水濡れ被害が出た場合は、大家の保険を確認する流れでしょう。
設備修理保険を使うときも、基本的には大家や、管理会社が請求権者になることが多いでしょう。
また、保険金が振り込まれる前に業者への支払いが先行するケースもあり、一時的な立て替えも想定しておきます。
原因調査中でも、修繕手配や被害確認を並行して進めれば、入居者や階下住戸への対応も滞らせずに済むでしょう。
保険範囲の明示と周知
保険や費用負担のルールは、契約書と入居案内で共有すると、故障時の説明がスムーズです。
まず、大家側が加入する火災保険や設備修理保険と、入居者加入の保険の役割を分けて示しましょう。
なお、借家人賠償責任保険とは、入居者が建物に損害を与えた際の賠償に備える保険です。
経年劣化による自然故障は大家側で対応するといった基本方針を明記し、入居時には緊急連絡先も渡しておきましょう。
さらに、異常を感じた際は自分で直そうとせず、管理窓口へ連絡する手順を案内文に記載すると安心です。
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まとめ
トイレの修理費用は、通常使用による故障なら大家負担、入居者の過失が原因なら入居者負担となります。
賃貸借契約で小修繕のルールを定めると、不注意や不具合の放置による被害拡大を入居者へ請求しやすくなります。
賃料減額などのリスクを防ぐため、即日対応できる体制や保険の範囲、連絡ルールを日頃から共有しておくと安心でしょう。
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株式会社エムズ
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