家を貸すときの賃料査定とは?賃料査定のポイントや貸す方法をご紹介
賃貸経営に興味がある方や、実際に賃貸経営を始めてみようと考えている方は多いと思います。
賃貸経営を始めるにあたって、決めなければならないもののひとつに「賃料」がありますが、どうやって決めたら良いのか戸惑う方もいるでしょう。
今回は、家を貸すときの賃料査定とはどのようなものか、賃料査定で見られるポイントや家を貸す方法についてご紹介します。
家を貸すときの「賃料査定」とは?
家を貸すときに「賃料」を決める方法として「賃料査定」を利用する方は多いです。
ここからは、家を貸すときの「賃料査定」とはどのようなものかをご紹介します。
賃料査定とは
賃料査定とは、所持している家を貸し出すときに、どのくらいの家賃で貸し出せるかを不動産会社に依頼して査定してもらうものです。
賃貸経営を成功させるためには、家賃の設定はとても重要な要素です。
家賃が高すぎると、借り手に敬遠されて入居者が決まらず空き室が続く可能性がありますが、かといって家賃が安すぎると利益が減ってしまいます。
適正な家賃設定によって、安定した賃貸経営をおこなうためにも、不動産会社に依頼して適正な家賃はどのくらいの金額なのか、査定してもらうことが重要です。
簡易査定とは
不動産会社がおこなう賃料査定のひとつが「簡易査定」です。
簡易査定とは、不動産会社の査定担当者の訪問はなく、賃貸物件の周辺にある物件の取引履歴や相場を参考にして、賃料を査定する方法です。
物件を直接確認せずにおこなう査定であるため「机上査定」と呼ばれる場合もあります。
正確な賃料を算出することはできませんが、目安となる賃料をとりあえず早く知りたい場合におすすめの方法です。
査定依頼から査定額が提示されるまで、早ければ数時間から1日程度と早いのも魅力です。
必要に応じて、物件写真のデータや登記簿謄本などが必要になるケースがあります。
詳細査定とは
詳細査定とは、実際に賃貸物件を目視して査定額を決定する方法です。
訪問査定とも呼ばれ、実際に物件の状態を見て査定をおこなうため、簡易査定よりも査定額が正確になります。
不動産会社の査定担当者が実際に現地を訪問して、設備や内装を含めた物件全体を目視で確認したり、周辺の商業施設や公共施設などの周辺環境を調査したりします。
現地での調査は1~2時間程度で、査定結果が出るのは調査から約1週間後です。
詳細査定では、査定の精度を上げるために、建築設計図書、重要事項説明書、契約書や間取り図、リフォームの履歴がわかる書類などが必要となります。
一般的には、最初に簡易査定をおこなったのち、詳細査定を実施して不動産の賃料を決定する流れとなります。
家を貸すときの賃料査定で見られるポイント
家を貸すために不動産会社に賃料査定をおこなってもらう場合、不動産会社が賃料査定のために見るポイントがいくつかあります。
ここからは、賃料査定をおこなう場合に見られるポイントについてご紹介します。
類似する物件を調査する
賃料査定で見られるポイントのひとつが、査定をおこなう家と類似する物件です。
不動産ポータルサイトや不動産会社のデータベース「レインズ」を参考にして、貸す予定の家と似たような条件の物件が、現在どの程度の賃料で貸し出されているかを調査します。
不動産ポータルサイトは一般の方でも閲覧できるので、家を貸す予定のオーナーが自分で調査できますが、不動産ポータルサイトに掲載されているのは募集中の物件のみです。
不動産会社のデータベースである「レインズ」には、過去に成約した賃料も掲載されており、より幅広い情報を集められます。
レインズは一般の方は閲覧できず、不動産会社のみがアクセス可能なので、不動産会社の担当者に調査してもらうのがポイントです。
物件の状態を確認する
賃料査定で見られるもうひとつのポイントが、物件の状態や設備などの情報です。
賃料を査定するにあたって、物件の状態をくわしく知ることはとても重要です。
具体的には、建物内の住戸の位置や階数、向き、日当たりの良し悪し、部屋からの眺望などは、賃料を判断するのに必要な情報となります。
また、設備や周辺施設の情報、室内の傷み具合、賃貸前のリフォームや修繕の必要性なども査定時にチェックされるポイントです。
さらに、賃料査定を不動産会社に依頼して、物件の状態を細かく確認してもらうと、適正な査定が受けられるだけでなく、物件の価値を最大化するための提案が受けられます。
たとえば、物件価値を上げるためにどのようなリフォームが必要なのか、エントランスや駐輪場などの設備をどのように管理すれば良いのかなどです。
長期的に資産を活用する観点からのアドバイスを受けられるため、将来を見据えた賃貸経営の計画が立てやすくなるでしょう。
家を貸す方法とは
家を賃貸物件として貸す方法として賃貸借契約を結ぶ必要がありますが、賃貸借契約には「普通借家契約」「サブリース」「定期借家契約」の3種類があります。
ここからは、家を貸す方法としての賃貸借契約の種類についてご紹介します。
普通借家契約とは
家を貸す方法のひとつが「普通借家契約」です。
普通借家契約の特徴として、契約期間が満了しても、正当な事由がない限り、貸主側から更新を拒否できない点が挙げられます。
賃貸借契約の契約期間は1年以上で設定が可能ですが、一般的には2年に1度の更新となるケースが多く、借主が希望する限り住み続けることが可能です。
通常の賃貸経営であればとくに問題はありませんが、自分が住んでいる家を一時的に貸す場合は注意が必要です。
たとえば、マイホームとして家を購入したものの、転勤で一定の期間不在になるので、人に貸す場合、もし戻ってきたときに自分の家に住めない可能性があります。
もし自分が戻りたいタイミングで家に戻れるようにしておきたいなら、普通借家契約ではなく、定期借家契約を選択するのがおすすめです。
サブリースとは
サブリースとは、不動産会社に家を貸して、不動産会社が住みたい方にまた貸しをする方法です。
不動産会社が借り上げて、オーナーは、不動産会社から一定の賃料を受け取ります。
サブリースの場合、入居者と不動産会社の間で賃貸借契約が結ばれるため、管理や維持などを不動産会社に任せられる点もポイントです。
その代わり、不動産会社に手数料を払うため、通常の賃貸借契約とくらべると、家賃収入は少なくなります。
契約更新は基本的に2~5年で、賃料の改定がおこなわれます。
定期借家契約とは
定期借家契約とは、自分たちで契約期間を定められる契約です。
1年未満でも設定が可能で、契約期間が終了すれば更新せずにオーナーが住むことが可能です。
そのため、定期借家契約は、転勤などの理由で決められた期間だけ家を貸す場合に適した契約といえます。
ただし、通常家を借りる場合、できれば長い期間住める物件を探す方が多いので、定期借家契約で契約期間が短い場合、借主を見つけるのが難しいかもしれません。
お互いに住みたい期間と貸したい期間が一致しているのがベストですが、なかなか借り手がみつからない場合は、普通借家契約に切り替えて考えるのもひとつの方法です。
まとめ
家を貸すときの「賃料査定」とは、どのくらいの家賃で貸し出せるかを不動産会社に依頼して査定してもらうもので、簡易査定と詳細査定と2パターンの方法があります。
賃料査定で見られるポイントとして、類似する物件の調査をおこない、物件の状態を確認して、適正な賃料を査定します。
家を貸す方法には普通借家契約、サブリース、定期借家契約の3種類があり、決められた期間だけ家を貸す場合は定期借家契約がおすすめです。