賃貸経営で知っておきたい建物構造とは?特徴をそれぞれご紹介!

賃貸経営で知っておきたい建物構造とは?特徴をそれぞれご紹介!

賃貸物件は構造や工法によって、住みやすさが変わってきます。
どの構造で建物を建てるかは、賃貸経営において重要なポイントになるため、事前にそれぞれの魅力を把握しておくと良いです。
そこで今回は、賃貸経営に役立つ建物構造の知識として「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」の特徴についてご紹介しますので、ぜひ今後の参考にしてみてください。

賃貸経営で知っておきたい建物構造の特徴①木造

賃貸経営で知っておきたい建物構造の特徴①木造

木造住宅は、柱など建築物の強度を支える主要部分が木材で建築されている住宅です。
アパートを含む日本の建物は、木造で建てられる傾向にあります。
木造住宅には以下のような特徴があるので、賃貸経営を始める前に確認しておきましょう。

耐久性が低い

賃貸経営を始める際、住宅の耐久性は重要なポイントの一つです。
耐久性の低い建物は老朽化が早く、資産価値が低下しやすくなります。
メンテナンス費用もかさみ、賃貸経営におけるデメリットが多くなることが特徴です。
木造住宅は耐久性が低く、年月が経過すると壁や床の劣化が目立ちます。
また、シロアリ被害や自然災害の影響を受けやすいため、注意が必要です。
賃貸経営をおこなう際は、このようなデメリットを考慮しておくことが重要です。

火災保険料が高い

建物が木造の場合、他の構造に比べて火災保険料が高くなる可能性があります。
これは、木造建物の耐火性能が低く、火災発生時の延焼リスクが高いためです。
火災保険料は契約内容や期間によって異なるため、賃貸経営を始める前に相場を確認しておくことが重要です。

建築コストが安い

木造住宅は、建物構造が安価であるため、建築コストを抑えることができます。
さらに、在来工法を採用すれば、設計の自由度が高く、希望の間取りを検討できます。
住宅の取得費用を抑えることで、手元に残る利益も増加するでしょう。
間取りや内装は、周辺エリアのニーズを調査したうえで決定することをおすすめします。

調湿効果が高い

木造住宅は、調湿効果が高いというメリットがあります。
木材が空気中の水分を吸収し、湿気を減らすことで、カビの発生を抑制できます。
工夫次第で快適な部屋を提供できるため、契約希望者を増やすことができるでしょう。
賃貸経営を成功させるためには、このような建物構造の特徴を理解しておくことが重要です。

賃貸経営で知っておきたい建物構造の特徴②鉄骨造

賃貸経営で知っておきたい建物構造の特徴②鉄骨造

鉄骨造は、柱や梁などに鉄骨を使用した構造の建物です。
基本的に建物の主要構造部は鉄で、使用する鋼材の厚さによって構造名が異なります。
厚さが6mm未満のものは「軽量鉄骨造」といい、6mm以上のものは「重量鉄骨造」です。
鉄骨造には以下のような特徴があるので、賃貸経営をはじめる前にチェックしておきましょう。

減価償却期間を長めに設定できる

鉄骨造は、減価償却期間を長く設定できる建物構造です。
木造の法定耐用年数が22年であるのに対し、重量鉄骨造の法定耐用年数は34年です。
軽量鉄骨造では最長27年となっており、減価償却期間を長く取りたい方におすすめでしょう。
また、金融機関からも長期ローンを組みやすくなり、選べる物件の範囲も広がります。

木造より耐震性が高い

鉄骨造は、木造よりも耐震性が高いというメリットがあります。
災害時の影響が少なくなるため、住宅の安全性を確保することが可能です。
鉄骨造で使用される部材は工場生産され、大量供給されていることが多いため、品質に差が生じにくい特徴もあります。
より安定した住宅で賃貸経営をおこないたい方は、鉄骨造を検討することをおすすめします。

通気性・断熱性は低め

鉄骨造は通気性や断熱性が低いため、年間を通じて冷暖房を頻繁に使用することが多くなります。
夏は暑く、冬は寒いため、外気との温度差で結露が発生する恐れがあります。
結露が大量に発生すると、カビが生えやすくなるため、風通しを良くするなどの工夫が必要です。
鉄骨造の住宅で賃貸経営をおこなう際は、このようなデメリットにも注意を払うことが重要です。

耐火性が低く耐火被覆が必要

鉄骨造の住宅のデメリットは、耐火性が低いことです。
長時間高温にさらされると強度が低下し、倒壊する危険性があります。
そのため、鉄骨造で賃貸経営をおこなう際は、鉄骨材の周囲を耐火材で巻く耐火被覆工事が必要です。
住居の安全性を保つためには補強工事が求められますが、場合によっては高額な費用がかかることに注意が必要です。
工事内容によっては、鉄筋コンクリート造の建物を選んだ方が適切なケースもあります。
賃貸経営を始める際は、優先すべき事項を整理しておくことが重要です。

賃貸経営で知っておきたい建物構造の特徴③鉄筋コンクリート造

賃貸経営で知っておきたい建物構造の特徴③鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート造は「RC造」と呼び、柱や床などが鉄筋およびコンクリートで構成されています。
なお、鉄骨鉄筋コンクリート造は「SRC造」と呼ばれるのが一般的です。
鉄筋コンクリート造は中⾼層のマンションで用いられ、7階以上のマンションでは鉄骨鉄筋コンクリート造がよく使用されています。
以下で、鉄筋コンクリート造の特徴を確認しておきましょう。

耐震性に優れている

鉄筋コンクリート造は、強度の高い鉄筋とコンクリートを使用しているため、耐震性に優れています。
耐久性、耐火性、耐風性にも強いため、住宅の安全性が確保されます。
賃貸経営で住宅の安全性を強調したい方は、鉄筋コンクリート造の物件を検討することがおすすめです。

遮音性は高め

賃貸経営では、建物の強度だけでなく、遮音性の優劣も把握しておく必要があります。
鉄筋コンクリート造は建物の自重が重いため、遮音性にも優れています。
隣戸や上下階からの音が伝わりにくく、入居者にとって嬉しいポイントとなるでしょう。
騒音問題は近隣トラブルのなかでもっとも多い事例の一つであり、事前の対策が重要です。
鉄筋コンクリート造なら「生活音がうるさい」といったクレームも少なくなるため、小さなお子さんやペットがいる家庭にも適しています。
そのような方が多いエリアで賃貸経営をおこなう場合、鉄筋コンクリート造の建物を選ぶことをおすすめします。

建築コストがかかる

住宅性が高い鉄筋コンクリート造は、その分コストがかかります。
施工期間も長くなるため、賃貸経営者にとっては収益化までに時間がかかることがデメリットです。
ただし、収益率は高いため、その分の利益を回収できる可能性があります。
賃貸経営をおこなう際は、それぞれの状況を踏まえたうえで適切な物件を検討することが重要です。

結露が発生しやすくなる

鉄筋コンクリート造は、断熱性が低いという特徴があります。
住宅の断熱性が低いと結露が発生しやすくなるため、定期的に空気の入れ替えをおこなうなどの対策が必要です。
ただし、木造住宅よりは断熱性が優れているため、予算とのバランスを考慮して検討することが重要です。
住宅性能をさらに高めたい場合は、鉄骨鉄筋コンクリート造の物件も適しています。
鉄骨鉄筋コンクリート造の物件で賃貸経営をおこなう際は、コスト回収の見込みを事前に把握しておくことが大切です。
住宅性能だけで決定してしまうと、ランニングコストが収入を上回る可能性があるため、慎重に検討しましょう。

まとめ

木造は主要部分が木材で建築されている住宅で、建築コストが安いメリットが得られます。
柱や梁などに鉄骨を使用した構造が建物鉄骨造となっており、減価償却期間を長めに設定可能です。
鉄筋コンクリート造は「RC造」と呼び、耐震性や耐久性・耐火性に優れています。